来年の2月まで100日を切りました。
模試の偏差値や合格可能性の判定結果を見て一喜一憂する日々が続いていると思います。
今日は、第一志望校がゆらぐと悪影響が出る、という話です。
志望校の選定に関して、提案したいのは次の三点です。
・あこがれ校は柔軟に考えましょう。
・第一志望校は早めの時期に確定しましょう。
・おさえ校は本番寸前まで柔軟に考えましょう。
要は、あこがれ校とおさえ校は柔軟に、第一志望校は早い時期に確定しましょう、ということです。
もちろん、それぞれの事情によって最適な答えというのは大きく変わります。
ただ、これまで見て来た事例の中に志望校のふらつきによる弊害が有ったのです。
特に本命となる第一志望校の校名ふらつきは、とても危険です。
見て来た事例というのは、こんな感じです。
・模試の結果が届くたびに偏差値(と合格可能性)に一喜一憂。
・模試のたびに第一志望校が変更され、過去問の演習も対象校を変更。
・その結果、狙いが絞り込めず、生徒本人のモチベーションも上がらず。
・結局、私から見て届くと思っていた学校の受験に失敗してしまった。
模擬試験と違って、入試では狭い範囲の学力の生徒が集まりますから、ほんのわずかな差が合否を決めます。
偏差値の数字に振り回されて志望校をひんぱんに変更してしまうと、そのほんのわずかな差への対策に悪影響が出てしまう可能性があるわけです。
模試の偏差値の値を見て、志望校を変えてしまう気持ちは良くわかります。
・良い学校には多くの生徒が入りたがる
・全員の入学は無理だから学校は点数という物差しで選ぶ
・多くの生徒が入りたがる学校は高得点をとる学力が必要
・学習塾が定める学校の偏差値も高い値になる
ということで、
途中をすっ飛ばして最初と最後だけをつないでしまえば、
「偏差値の高い学校=良い学校」になるわけです。
でも、違いますよね。
「山高きが故に尊からず」
良い学校とは、その生徒との相性で決まるものであり、塾の偏差値が決めるものでは
ありません。
模試の偏差値が5上がったからといって、その生徒と相性の良い学校がガラリと変わるわけではありません。
でも、模試の成績に一喜一憂して毎月のように第一志望校を変更するご家庭をいくつも見て来ました。 要注意です。
志望校の選定に関して、学習塾での個別面談でも注意が必要です。
まず、会社としての運営の面から見れば、
・学習塾は高偏差値の学校に多くの合格者を出すと生徒が集まる。
・各校舎も難関校合格者に付与されるポイントで競わされている。
という場合が多いですから、
本質的に「より偏差値の高い学校を受けさせたがる」という傾向があると念頭に置いて個別面談に臨むことをお勧めします。
そんな組織の理論に無縁そうな先生にも危ない人がいます。
「高偏差値の学校=多くが入りたがる学校=良い学校」という固定観念にとらわれて、
相性を無視して、その生徒の偏差値で狙える一番上の学校を推薦するシーンを何度も見て来ました。
「山高きが故に尊からず」で思い出した、スカイラインGTRが登場した頃の話
来客:スカイラインを買う。一番値段の高いやつをくれ。
店員:いや、これはレース用で・・・
来客:自動車は自動車だろぅが! いいから、売れ!
そして納車の翌日、激怒した客が。
なんだ、この車は!
クラッチはくそ重いわ、ラジオは無いわ、クーラーはおろかヒーターすら無いわ、
よくもこんな車を売ったな!
これは客が悪いと思います。
スカイラインGTRは極端な例としても、6年間を過ごす学校は車以上に相性がたいせつだと思います。
受験する志望校を決めるために、偏差値を使うことはたいせつですが、偏差値で決めるのは避けるべきです。
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