2022年4月は土星・火星・金星・木星が夜空に並んで見える天体ショーが有ります。
ただし、それが見られる時刻が夜明けなので、中学受験の出題に取り込まれるかどうか私は疑問に思っています。
国立天文台 ほしぞら情報 から冒頭部分を引用します。
明け方の空には、4月上旬から土星、火星、金星が見えていましたが、下旬になるとこれに木星が加わり、いっそうにぎやかになります。南東から東にかけて、空の高い方から土星(約1等)、火星(約1等)、金星(約マイナス4等)、そして木星(約マイナス2等)の順に並ぶ光景は、とても見応えのあるものとなるでしょう。
4月25日から28日にかけて、これらの惑星たちに月が次々と接近していく様子を観察できます。月は、25日に土星、26日に火星、27日に金星と接近していきます。特に27日の月は、金星のそばに輝く木星にも近く、また木星とほぼ同じ高さに見られます。明るい3天体が目を引くことでしょう。
上の図の右下にある注意書きには、こう書いてあります。
※土星以外の惑星の動きが大きいため、それぞれ
月といちばん近くなる日の位置に描画しています
逆に、なぜ土星の動きだけが大きくないのでしょう?
その理由は、上位生なら夏期講習以降に演習するはずです。
単純に言えば、その惑星と太陽と地球の位置関係による現象です。
いずれ、ブログの記事で解説したいと思います。
今回の天体ショーでは、新月に向けてやせ細って行く月と4個の惑星が日替わりで接近して見られます。
最難関校の中学入試問題だったら『太陽系の図からそれぞれの惑星の位置を選びなさい』という選択式の設問が作れそうですね。
【図無しで解説すると、こうなります】
地球の公転速度は 360度 ÷ 365日 で、およそ1日に1度なので4日間でも4度ですから、地球の位置は固定して考えて良さそうです。
月の公転速度は 360度 ÷ 29.5日 で、およそ1日に12度です。
地球の明け方に相当する地点と、それぞれの月齢の月の位置を結んだ直線の延長上に該当する惑星が有る、という解き方になります。
また、図の中で月の満ち欠けも示されていますので、その関連問題も作れます。
それぞれの惑星を天体望遠鏡で拡大したらどのような形に見えるかという設問です。
最難関校の入試では惑星の見え方(欠け方と大きさ)の出題は頻繁に有りますので、この設問は、位置を問う選択問題を解ける生徒なら正解できるはずです。
でも、今回の天体ショーが来年度に出題されるかは、ちょっと疑問かも。
それは観察できる時刻が「明け方」であるということ。
天体に関する中学の入試問題は、午後8時頃の状態を問うものが多かったりします。
理由は単純です。
「小学生が起きていても良い時間帯だから。」