植物に関する入試問題で、野菜に関連した出題がけっこう有ります。
まずは「食べる部位」はどこか? という問題の紹介です。
例題は、戸板中学の2014年(平成26年)の問題です。
「食べる部位」を問う中学入試の問題というとカレーライスに入れる野菜3種「ジャガイモ」「タマネギ」「ニンジン」に関するものが有名です。
茎、葉、根として覚えている方も多いのではないでしょうか。
今日の入試問題は部位名をもっと細かく問う出題です。
例題は、現在の三田国際学園中学が共学化する前の女子校「戸板中学」の2014年(平成26年)の大問1番です。
【問題】
次の文章を読み,下の各問に答えなさい。
私たちは「野菜」としてたくさんの種類の植物を食べている。
それらの植物は,食べる部位によって「果菜類」「葉菜類」「根菜頬」「茎菜類J 「花菜類」の5種類に分けることができる。
また,ある成分の含有量の違いから「緑黄色野菜Jと「淡色野菜」の2種類に分けることができる。
(1)野菜A~Oを「果菜類」「葉菜類」「根菜類」「茎菜類」「花菜類」の6種類に分けなさい。
《補足:オリジナルの入試問題はこれだけなのですが、それでは少し難しいので条件を追記します。『5種類の分類には、どれも3個の野菜が入ります。』》
(2)「花菜類」の例をもう1つあげなさい。(上の写真で紹介されていないものを答えなさい。)
(3) 省略 栄養素の成分構成から「緑黄色野菜」を選ぶ問題でした。
(4) 省略 遺伝子研究による品種改良でどのような機能を持った農作物を期待するか、受験生に自由に記述させる問題でした。
【解説】
「果菜類」(かさいるい)
ふたつまではすぐに分かると思いますが、ピーマンも果実であるというのは気付きにくいかも。 これ、他の学校でも出題されています。
トマト、カボチャ、ピーマンなので C,D,I
「葉菜類」(ようさいるい)
これは見た目そのものなので間違えることはないでしょう。
レタス、ホウレンソウ、キャベツなので E,N,O
「根菜類」(こんさいるい)
これも判りやすいですね。
ダイコン、ニンジン、ゴボウなので A,G,K
「茎菜類」(けいさいるい)
ここに何を入れるか「分類ごとに入る野菜は3個」という指示が有れば消去法で選べますが、それが無いと正答率が低くなりそうです。
正解は、アスパラガス、レンコン、タマネギなので F,J,L
ここでタマネギ=茎(くき)にあれ?って感じた人、実は私もそうなのですが、知識の上書き修正が必要です。 この話は別のエントリとして書きます。
「花菜類」(かさいるい)
読みが果菜類と同じなのでややこしいですが、花を食べる野菜です。ミョウガがここに入るというのが選べれば、他は簡単です。
(2)は、ここに入る野菜を尋ねています。
たとえば カリフラワー ふきのとう アーティチョーク など。
ここに登場した野菜は、分類も確認しておきたいです。
中学入試の観点から特に見ておきたいのは次の8分類。
《アブラナ科》 Aダイコン Gキャベツ Hブロッコリー カブ ハクサイ
《ウリ科》 Dカボチャ ヘチマ キュウリ スイカ メロン ツルレイシ
《ナス科》 Cトマト Iピーマン ナス ジャガイモ
《マメ科》 エンドウ インゲンマメ シロツメクサ レンゲソウ
《バラ科》 サクラ ウメ リンゴ ナシ イチゴ
《キク科》 B食用菊 Eレタス Kゴボウ ヒマワリ コスモス
《セリ科》 Gニンジン セリ アシタバ セロリ コリアンダー
どこまで覚えるべきかは、受験する学校の出題傾向に大きく影響されます。
花の形状を含めた特徴(アブラナ科→モンシロチョウの幼虫の食草、など)を、知識の紐付けの形で覚えて行くのが効率的な学習法です。
分類に関連した入試問題は、あらためて書きます。
ちなみに、今回登場した残りの野菜についても分類を書いておきます。
Fアスパラガス《ユリ科またはキジカクシ科》
Jレンコン《ハス科》
Lタマネギ《ヒガンバナ科》
Mミョウガ《ショウガ科》
Nホウレンソウ《ヒユ科》