滑車の問題では、糸に黒点を打って張力を書き込み、等しい力はどれかを考えられれば複雑な問題も解けるようになります。
大宮開成中学の2009年(平成21年)の大問3番を例にして解説しました。
昨日の記事で書いた滑車の問題を解く3つのポイントを使って実際の入試問題を解いてみましょう。
用いる例題は、大宮開成中学の2009年(平成21年)の大問3番です。
【問題】
下の図の問1~問4のように,重さ4Kgのかっ車を利用しておもりを持ち上げました。 このとき,取り付けているばねはかりはそれぞれ何Kgをさしますか。
(問4は輪軸の問題なので省略)
【解説】
滑車の問題を解く3つのポイントを実行すれば簡単に正解を得られます。
1:黒点を打ち張力の値を書き込む
2:どんな滑車でも左右の張力は同じ
3:上下の力の合計は絶対に同じ
おもりを吊っている糸の張力は8Kg
滑車の重さ4Kgを足して12Kgが2本の糸に吊られている。
滑車の左右の張力は絶対に同じだから1本あたり6Kg
右の定滑車の左右の張力も同じだから答えは 6Kg
ちなみに右の定滑車を天井に固定している金具が吊っているのは16Kgです。
おもりを吊っている糸の張力は8Kg
定滑車だろうと動滑車だろうと左右の糸の張力は同じだからポン、ポン、ポンと同じ張力が転記されて、答えは 8Kg
ちなみに真ん中の定滑車を天井に固定している金具には12Kgの「上向きの力」がかかっています。 (8Kg + 8Kg ー 4Kg = 12Kg)
これが有るから登場している滑車は天井から糸で吊られているのではなく、金具で固定されているのですね。
おもりを吊っている糸の張力は8Kg
滑車の左右の張力は絶対に同じだから8Kg
ばねばかりが支えているのは糸2本の張力と滑車の重さだから
8Kg + 8Kg + 4Kg = 20Kg
滑車を使った難易度の高い問題、たとえば自分が乗っている箱を滑車を利用して引き上げる問題なども3つのポイントを実行すれば簡単に解けます。