単位の仕組みの勉強に役立つ「単位換算の物差し」です。
この物差しを問題を解くたびに書く必要はありませんが、数字を物差しにあてはめるつもりで考えれば、換算の計算でのミスが減らせます。
小学生が勉強する単位換算でポイントは「面積」、つまり「平方」の取り扱いです。
一昨年に作った教材です。
キロ(k)、センチ(c)、ミリ(m)については身近な生活の中で触れているので、間違える生徒は少ないと思います。
ですから、体積のデシリットルだけ気を付ければ「長さ」「重さ」「体積」に関しては比較的すぐに計算ができるようになると思います。
単位換算のポイントは「面積」です。
他の単位が 千倍や 千分の1を基本にしているのに対して、面積だけは 百倍 です。
ヘクタールとかアールという名前も、農地が身近にないと触れる機会もありません。
(都心部だったら、むしろ「坪」の方が目にする機会が多いかも)
単位について教えるとき、私はまず「長さ」「重さ」「体積」について確認を済ませます。
その後に「面積」を教える際には、意識的に線分を長ーく書きます。
そして、平方メートルの次にまず書き込むのは「平方キロメートル」
1 ㎢ は1㎡ の千倍ではなく、1Km × 1Kmであることを強調します。
千 掛ける 千 を計算させて、まず百万 の所に単位名を書き込ませるわけです。
ここで、いったん単位の物差しから離れて、接頭詞のリストアップをします。
ポイントは体積に登場する「デシ」と、面積に使う「ヘクト」です。
「デシ」に対しては認知度が低いようなら、「デカ」について話をすることもあります。
「ヘクト」は、理科で習った圧力の単位「ヘクトパスカル」を口にすると「あぁ」という顔になります。
単位の物差しに戻って、「ヘクタール」と「アール」の話。
「ヘクタール」は「ヘクト・アール」が短くなった呼び名で「アール」の100倍だと説明して、「さて、ヘクタールとアール、物差しのどこに書き込む?」と尋ねます。
この誘導でヘクタールとアールを百倍と一万倍の位置に正しく入れさせ、ついでに平方メートルが平方センチメートルの何倍に当たるか計算させて、これも百倍の系列、百倍 × 百倍の一万倍になっていることを確認させます。
この順番で作図させると、面積に関しては他の単位と違って百倍、百倍で構成されていることが意識に残ります。
1 ヘクタールが一辺100メートルの正方形の土地、1アールがその百分の一で、一辺が10メートルの正方形の面積であることを、それらの後に教えると生徒たちの意識に残りやすかったです。
単位の換算は、導入授業をしてすぐの頃には物差しを書いてから問題に登場する数値を書き込むという解き方で良いですが、すこし慣れて来たら早い時期に物差しを書くのを省略して解かせたいです。
面積の単位を教えるときに強調しておきたいのは「平方」という考え方です。
ここを感覚として染み込ませておくと、「縮尺」の単元の面積の換算の習得が滑らかに進行します。