Sapix授業の算数に関して小5と小6で登場する単元のリストを、声の教育社の中学入試過去問集での分類に準拠して作ってみました。
大分類レベルでの対応表を公開します。
6年生になって過去問の演習を始めた時点で得点できなかった問題が見つかった時、何をするでしょうか。
解説を読んで解き直しをするのは必須の対応ですね。
でも、それだけでは不足です。 得点できなかった理由は何なのか。 単純なミスなのか、問題文の指示を読み落としたのか、それとも解き方の習得がまだ不十分なのか、失点の理由によって対応は大きく変わって来ます。
つまり、基本題に戻って類似問題を解けるかどうか確かめてみる、必要なら解き方の基本を再確認する、というフォロースルーが重要だという事です。
その時に使う教材について、下記のような記事を書きました。
Sapix生にとっては、授業と宿題で手掛けたデイリーサポートへ戻るのが資産の活用という面で望ましいと思いました。
そこで、たとえば「つるかめ算」が登場するのはどの授業回かといった一覧表を作ってみようかと考えました。
ところが、5年生と6年生の教材で見る範囲では、Sapixの単元のまとめ方は他の塾や参考書とだいぶ違います。
たとえば、小5春期講習の第2回「和と差に関する問題」の回では、1回の授業で一挙に次のような「〇〇算」を演習してしまいます。
和差算・消去算・つるかめ算・弁償算・過不足算・2数の和(場合の数+推論)、両替(場合の数)・セット価格
講習期間中の授業とは言え、一回分の教材にこれだけの解法が登場します。 四谷大塚さんの予習シリーズで言えば6年生下巻の目次を見ているみたいな詰め込み方です。
2021-11-30追記:
和と差に関する問題(Sapixの新カリキュラムでは510-31)に関しての記事を新たに書きましたのでリンクを追加します。
530-31和と差に関する問題は要注意 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
私自身では業務上の都合もあって、各授業回についての詳細な対応整理を進めていますが、たいへんな作業になりつつあります。
そこで、とりあえず大分類のレベルまでで、声の教育社の分類との対応状況を整理してみました。
この一覧が有れば、保管した教材のどれを取り出せば良いかという目次として使えるかも知れないので公開します。
最初に声の教育社の分類を、声教分類「〇〇〇」で示します。 カッコの中に並ぶのはその分類中の小分類、いわゆる〇〇算と呼ばれる単元名です。
その下に対応するSapixの授業回の数字とタイトルを並べました。
声教分類「計算」(四則計算・逆算、計算のくふう、単位の計算)
5年生と6年生の算数で、これらをタイトルにした授業回は有りません。
声教分類「和と差」(和差算・分配算、消去算、つるかめ算、平均とのべ、過不足算・差集め算、集まり、年齢算)
H51-02 和と差に関する問題
N51-04 2量の関係
N51-08 平均算
510-31 和と差に関する問題
610-07 2量の関係
610-16 和と差に関する問題
N61-02 和と差に関する問題
610-22 和と差に関する問題(1)
610-23 和と差に関する問題(2)
声教分類「割合と比」(割合と比、正比例と反比例、還元算・相当算、比の性質、倍数算、売買損益、濃度、仕事算、ニュートン算)
510-14 割合(1)
510-16 割合(2)
510-17 割合(3)
510-18 割合(4)
N51-05 比と割合(1)
N51-06 比と割合(2)
N51-09 比と割合(3)
N51-14 比と割合(4)
510-24 仕事算
510-32 倍数算
510-33 相当算
F51-03 比と割合
510-35 ニュートン算
610-03 割合(1)
610-04 割合(2)
H61-01 割合
610-17 割合
610-20 ニュートン算
N61-03 割合(1)
N61-11 割合(2)
610-24 比と割合(1)
610-25 比と割合(2)
声教分類「速さ」(速さ、旅人算、通過算、流水算、時計算、速さと比)
510-08 旅人算(1)
510-09 旅人算(2)
510-22 旅人算(3)
510-23 時計算
F51-04 速さに関する問題
510-28 流水算
510-29 通過算
610-05 速さ(1)
610-06 速さ(2)
610-18 速さ
N61-05 速さ(1)
N61-12 速さ(2)
610-26 速さ(1)
610-27 速さ(2)
声教分類「図形」(角度・面積・長さ、辺の比と面積の比・相似、体積・表面積、水の深さと体積、展開図、構成・分類、図形・点の移動)
510-01 平面図形(1)
510-02 平面図形(2)
H51-03 平面図形
510-07 立体図形(1)
510-11 立体図形(2)
510-12 点の移動
N51-03 立体図形(1)
N51-07 比と図形
N51-10 円と多角形
N51-11 線対象・点対象
N51-12 点の移動
N51-13 立体図形(2)
510-21 図形の移動
510-26 比と図形(1)
510-27 比と図形(2)
510-34 立体図形(3)
F51-02 平面図形
510-37 平面図形総合
610-02 平面図形
H61-02 平面図形
H61-03 立体図形
610-09 立体図形(1)
610-10 立体図形(2)
610-11 拡大・縮小
610-15 点の移動
610-19 平面図形総合
H61-04 平面図形(1)
N61-08 平面図形(2)
N61-09 立体図形
N61-13 図形の移動
N61-14 平面図形(3)
610-28 平面図形(1)
610-29 平面図形(2)
610-31 立体図形
声教分類「表とグラフ」(小分類無し)
H61-04 表とグラフ
610-12 変化のグラフ
N61-18 表とグラフ
610-32 表とグラフ
声教分類「数の性質」(約数と倍数、N進法、約束記号・文字式、整数・小数・分数の性質)
510-03 約数
510-04 倍数
510-06 分数と小数
H51-01 数の性質
N51-01 約数・倍数
F51-01 数に関する問題
610-01 数の性質
610-08 小数・分数
N61-01 数の性質(1)
N61-10 数の性質(2)
610-21 数の性質
610-34 数の性質
声教分類「規則性」(植木算、周期算、数列、方陣算、図形と規則)
510-13 規則性
N51-02 規則性
H61-05 規則性
610-14 規則性に関する問題
N61-06 規則性
610-33 規則性
声教分類「場合の数」(小分類無し)
510-19 場合の数(1)
510-36 場合の数(2)
H61-06 場合の数
610-13 場合の数
N61-07 場合の数(1)
N61-17 場合の数(2)
610-30 場合の数
すごいですね。
授業のタイトルだけでは、その回で何を学んだのか、ほとんど判りません。
Sapixの算数は、単元を細かめに区切って、それをスパイラルフローで学んで行く方式であると言われます。
注意が必要なのは、その「区切り」が一般的な単元の大分類、小分類という切り方ではなく、あっちの分類の中の一部、こっちの分類の中の一部といった具合に、もっと細かい単位で区切って授業で取り扱っていることです。
一回の授業で取り扱う演習問題が、一般的な単元の区切りで言えば、あっちからちょこっと、こっちからちょこっと切り出されていて、それを繰り返し繰り返し演習をする事で「完璧に身に付ける事を前提として」カリキュラムが構成されていると感じます。
今回示した単元の対応でも、特に「図形」とかは凄いですよね。
授業のタイトルは全部同じ、タイトルだけでは見分けがつきません。
何か解けない問題が有った時に、このリストから対応する授業回の教材を取り出すのは、ちょっとしんどそうです。
それで、冒頭で「どれを取り出せば良いかという目次として使えるかも知れないので」と書いたのでした。
でも、このようなタイトルの名づけ方、
Sapixのカリキュラムとしてはそれで良いのです。
だって「完璧に身に付ける事を前提として」いるのですから。