算数の文章題、それもちょっと長い問題文になると解けない、とか、理科の知識単元は出来るのに計算単元になると解けない、という悩みへの処方箋です。
このブログで繰り返し書いていることですが、最も大切なのは「原因」です。
原因を突き詰めずに紋切り型の指導をする講師のなんと多いことか。
・演習を繰り返して慣れれば解けるようになりますよぉ。
・大切な所に下線を引いて考えなさいねぇ。
・解けないのは、おまえのやる気が足りないからだぁ。
などなど・・・
その原因の究明をどこまで出来るかが、プロフェッショナルとしての能力だと思います。
問題を解いている最中の鉛筆の動き、紙の上の書き跡、視線の動き、独り言など、五感全開で生徒の様子を見て、解けない原因を推理し、対策を指示し、正解が出せた時の生徒の笑顔、これが見たくて先生をやってます。
原因は生徒一人一人で異なります。
低学年での成功体験から、紙に書かずに解こうとする癖がついてしまって、マジック・ナンバー・オブ・セブンの罠に掛かってしまっているケースは多いです。
あるいは、その問題を解くための基礎知識(たとえば A × B = C の各項目に入る名称)を思い出せなくて、とりあえず「当てはめ」をして答えっぽい数字を出して満足してしまうケース。 つまり<テントウ虫>が覚えられていないケースも見ます。
そして、長めの文章題で多段階の計算を順にしなければいけない場合に、あっちに計算し、こっちに計算し、途中でとっちらかって正解を逃してしまうケース。 これは、問題文の把握も出来て、答えの出し方も覚えているのに正解を出せないという、もったいないケースですね。
このように、正解を出せない「原因」は無数にあり、それごとに最適の対策は変わって来ます。
ですが、とりあえず万病に効く薬は無いのか? それを知りたい方も多いはず。
完治には至らなくても、やってみる価値のある処方箋、それは<テントウ虫>の暗記と、<整理表>を書く事の二つだと考えています。
<テントウ虫> (別名<きはじの図>、<はじきの円>、<みはじの図>、<T字図>、<ドラ鈴>など)は、決して単純な暗記の道具ではありません。
A × B = C
C ÷ A = B
C ÷ B = A
という三公式を表すと同時に、下の2つは反比例、上と下は正比例という比例・反比例の関係を何百回、何千回も目にすることで、「身に付いた感覚として」比例関係を使って解く訓練になると考えています。
<整理表>については、単純に「表の形に整理しなさい」という指示は間違いです。
問題の単元に応じて適切なフォーマット(縦と横の項目は並び順も含めて)を覚えるべきです。
そのフォーマットに問題文から分かる数字をあてはめて、知りたい枠に白抜きの四角形(私は「おとうふ」と呼んでいます)を書き込めば・・・
表が解き方を教えてくれます!
100メートル競走で、兄と弟が同時にゴールするために、兄が何メートルスタート地点を後ろに下げてハンディをつければ良いか、四捨五入してメールの単位で、と尋ねられたら。
100 ÷ ⑨ × ⑩ = 111.1111・・・ ですから、 11メートル です。
2023-03-17追記:「徒競走でハンデ」問題の解き方を記事にしました。