駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

過去問演習の基本戦略

夏期講習が終了し二学期の定常授業が始まりました。

この時期に頻繁に尋ねられるのが過去問演習に関することです。

今回は過去問の演習に関する要点の整理をしました。

 

【はじめに】
過去問演習に関して見落としがちなことが有ります。
それは、何のために過去問演習をするかということ。
過去問演習によって生徒に何を身に付けさせるか、という基本デザインです。
それを明確に認識することで、宿題の演習や模擬試験などとの違いが明確になります。

 

【過去問演習の時期】
集団塾にお通いの方は塾からの指示を守ってください。
指示には理由が有ります。 疑問点が出たらどんどん質問しましょう。
基本的に開始の時期は「基本知識の習得が完了」したタイミングと考えます。

 

【年度の順番】
塾からの指示が有る場合にそれに従いましょう。
自由に設計できる場合には以下のような項目を考慮します。
★ 受験寸前の力試し用に最新年度一式を「取っておく」か。
★ 時事問題を出題する学校か。(その場合、理科と社会は最新の年度から)
★ 入試問題の形式が変更になったか。(途中式の必須化など)

 

【解答解説の管理について】
声の教育社や東京学参などの古本を買うと高い頻度で問題に書き込みが有ります。
問題集に直接書き込んで解くのは避けるべきだと考えます。
演習中、解答解説は保護者が管理すべきだと考えるからです。
これは生徒を疑うからではありません。
数ページめくれば解答解説を覗き見られるという誘惑の状況を作らないためです。

 

【解答用紙のコピー作成について】
過去問の問題集には解答用紙を現物の寸法にするための拡大倍率が書かれています。
解答の形式として記号や数値だけを書けば良い場合には、原寸大の再現は不要です。
記述式の解答欄が有る場合、欄の大きさが文字数のメドになるので寸法が大切です。

 

【問題のコピー作成について】
解答解説の管理を保護者がするなら、必然的にコピーまたは印刷が必要になります。
特に算数に関しては単純なコピーでなく「本物そっくり」の再現を強くお勧めします。
学校によりレイアウトに大きな違いが有り、余白を上手に使う練習が重要だからです。
過去の問題のPDFを公式サイトで公開している学校がけっこう有ります。活用しましょう。
また、四谷大塚の過去問データベースにも膨大な数のPDFが収録されており、これは塾生でなくても利用可能です。

 

【解き直しについて】
過去問の解き直しは必ずしっかりとやりましょう。
同じ学校で同じ問題は二度と出ません。基本的には。
ですが同レベルの学校同士では驚くほどそっくりな問題が出ます。
解き直しは全問をしっかりとやりましょう。
「全問」を対象とすることが模擬試験の解き直しとの大きな違いです。

 

【合格者平均点は容易には取れません】
9月の段階では、いわゆるおさえ校であっても合格者平均点が出せないのは普通です。
受験本番までに合格点を取れれば良い、過去問演習はそのための練習と意識しましょう。
合格者平均点は重要な指標ですが、合格者最低点とは別物であるという理解も大切です。

 

【集団塾での質問のやり方】
塾の先生方は2月上旬まで修羅場の日々が続きます。
忙しい先生から最大の助言を引き出すためのコツを書きます。
★ 問題には解答に至る思考の跡を残す。
★ 解答の丸付けでは大問ごとに点数小計を書いておく。
★ 記述の採点を求める時はその旨を明記する。
★ 点数はたとえば「53+記述」のように書いておく。
★ 解答解説のコピーを付け、分からなかった部分を赤い線で明記しておく。
ポイントは、何を知りたいかを相手に明確に伝えることです。
過去問演習では生徒ひとりひとりから別々の問題に対する質問が出ますから、生徒側で工夫すると密度の濃いコメントが返って来ます。

 

受験する学校の過去問の演習について要点をまとめてみました。
いよいよ受験準備の最終段階です。
2月1日まで143日。この日々を最大限に活用しましょう。



 

 

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