駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

数の学習:つまづくポイントと対策②

具象から抽象へ進む算数や数学の学習の話ですが、昨日は小3までで終わってしまいました。 続く小4ではいよいよ分数が小数と共に登場します。 そして見落とされがちですが同じ小4で登場する「面積の計算」が実は新しい数の概念だったりします。

 

塾の先生を始めた当初、入塾して来る生徒がどこまで知識を持っているのか知りたくて、図書館に行って算数の教科書を調べました。 調べてみて驚いたのが、小数や分数を習うのが小4の終わりの頃だということ。 もっと早くから学んだような気がしていました。

 

小数は「定規」という具象的な例を見られるので、わりと抵抗なく受け入れられる子が多い様に感じます。 ただし、なんとなく判るからと不十分な状態で済ませてしまうと、続いて学ぶ「単位の換算」でついて行けなくなるので要注意です。

 

分数は登場した段階では帯分数と仮分数の関係が正しく把握できれば良いのですが、ここも意外と「わからない、だから解けない」という言葉が生徒から出るポイントだったりします。 この時点で「わからない」という言葉出るのは、実は良いチャンスになる場合が有ります。 

仮分数から帯分数に直すというのは、学んだばかりの知識をいくつか組み合わせて考えながら行う操作です。 大人が考える以上に子どもにとっては難しいことですが、幸いなことに「難しすぎる」考え方でも有りません。 つまり、「まず解き方を覚えてしまい、それから判るという感覚」を得るという成功体験の良いチャンスに出来るのです。

 

小数と分数の影に隠れて小4のカリキュラムに含まれる数の学習では目立ちませんが、ここで登場する「面積の計算」に私は注目しています。 面積というのは2つの長さという具象的な数を掛け合わせて作られる、新たな、ある意味で抽象化された数値です。

《 面積 = 縦の長さ × 横の長さ 》 ですから、これは《 A × B = C 》という形の計算です。 私が重視する<テントウ虫>に出来る式です。 中学受験の算数と理科において<テントウ虫>による反比例・正比例の関係を使いこなせると早いし、楽だし、ミスも減らせます。

(このブログで何度も取り上げていますので、右のサイドバーにある検索で「テントウ虫」と入れてみてください。)

面積の計算そのものは抵抗無く身に付く計算ですが、この時点で「面積が一定な場合の、縦と横の長さの関係」つまり反比例の関係を感覚として体験しておけると後々の学習で役に立ちます。

 

分数に話を戻します。 分数を学び終わった小5、あるいは小6でも確認しておきたい事がひとつあります。 それは小数に出来る分数と出来ない分数の再確認です。 簡単な演習です。 2分の1から20分の1まで分母を1つずつ増やした分数を書いて、そこに小数に出来るか出来ないかのマルバツを付けさせてください。 これ、算数が得意な生徒でもけっこう間違えます。 間違えたものだけ、筆算の割り算をさせて再確認をさせてください。

 

小4で分数とは何かを習い、同じ分母の加法と減法を習い、分数と整数の乗算、分数どうしの乗算を習うと・・・来ました、ちびまる子の天敵 「分数の割り算」です。

これについてはもう何度も書きました 『先に解けるようになる、ということ』 です。

 

分数の基本的な計算が身に付いたら、その先に学んで欲しいことは

 ・分数とは数字である

 ・分数とは除算である

 ・分数とは単位の無い数である

 ・分数とは抽象化された数学の世界への入り口である

これを書いたのが次の書き込みでした。

komazawajuku.hatenablog.com

 

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