すでに受験勉強を続けてきた生徒への指導を引き継いだ場合、私には確認することがひとつ有ります。 それはこういう質問。 「算数の宿題って4ページだったよね。 昨日(日曜)はそれにどのくらい使った?」 なぜそのような質問をするのか、という話です。
四谷大塚の合不合判定テストの例で見ると、解答欄が25個、試験時間が50分ですから、乱暴な割り算をすると1問あたりの時間は2分です。 もちろん冒頭の計算問題に2分も掛けてはいないでしょうし、最後の方の大問を枝番単位でも2分で解けとは言いませんが、前の方に並ぶ一行問題なら1問あたり2分は目安になります。
これ、考えてみるとすごくないですか?
問題文を読んで、使う解法を思い出して、計算をして、見落としが無いか確認して、解答用紙に書き写す、これだけの作業を1分数十秒で終わらせて行かなければならないのです。 それどころか上位生なら基本的な一行問題を解くのに普通に1分を切ります。 このレベルだと問題を読み終える前にもう鉛筆が動き出しています。 つまり、問題を読み始めた瞬間に「解法の引き出し」が開いているわけです。
ご家庭で宿題の演習をさせる場合に、スピードを意識していますか?
算数の宿題1ページをやるのに1時間以上かけたりしていませんか?
小6なら受験まで半年を切ったこの時期にまだ帰納的な学習法を取っていませんか?
小4や小5なら1問あたり2分以内というのは最終的に到達すべき目標であるとしても、一行問題のレベルの演習でしたら5分以上考えるのは無駄、というのが私の持論です。
1: 5分考えて解けなかったらすぐに解説を読む。
2: 解説を読んで解けそうに思えたら、解説を閉じて解いてみる。
3: これを繰り返しても解けなかったら、できるだけ意味を考えながら解説の式を書き写す。
4: まだ分からなかったら、書き写した式に登場する数字と問題文に登場する数字の対比を調べてみる。
ここまでやったら、もう次の問題に行って良いです。 塾にお通いなら、ここまでやって先生に質問に行けば最適なアドバイスを引き出せるはずですし、あるいは類題を解いてから戻ってみたら先生に質問に行くまでもなく「わかって」いることも多いはず。
スピードアップを意識した場合には、当然ながら途中式が殴り書きにならないよう注意が必要です。 途中式については以下の記事に注意点を書きました。 このブログの実質的な第1号の記事で、私は途中式の書き方をとても重視しています。