城南地区からの受験、かつ本命校は2月の学校という受験生を前提に、1月入試に関する考え方を「本人の心に何を残すか」を軸に整理してみました。
東京と神奈川の入試は帰国生入試を除いて2月1日からですが、埼玉と千葉の学校や、地方校の東京会場入試は1月初旬から受験できます。 小6では塾との個別面談を済ませたご家庭も多いと思いますが、1月受験の作戦に関してすっきりした確信を持てているでしょうか。
城南地区からの1月受験は、埼玉に行くにしても千葉に行くにしても距離が遠いので体力的な面も考えて悩むところです。 小5より下の学年の生徒さんのご家庭ではまだ実感が無いと思いますが、1月受験は必要か、するならどこを受けさせるか、情報をまとめてみました。
3つの軸で考えることをお薦めします。
1:もし合格したら通うか
2:合格させるか落とさせるか
3:東京会場か現地校舎か
【1:もし合格したら通うか】
本命校は2月からの学校だけれど、それらが全滅の場合には通わせるかも知れないという場合、入学手続き(入学金納付)の期限と通学時間の長さが検討ポイントになります。
埼玉方面の通学に関しては副都心線の直通運転が選択の幅を拡げてくれました。 もし自宅の最寄り駅から始発になる電車が有るなら座って行けますので、壁はさらに低くなります。
私は中3までクラスで一番のチビでしたが、そのチビが中1からこんな通学をしていました。
●自宅からバス停まで徒歩10分
●渋谷駅までバス(首都高速3号線と地下鉄玉川線が同時に工事進行中で地獄の渋滞の玉川通り。雨の日は40分以上かかっていました)
●渋谷から山手線で15分
●私鉄に乗り換えて8分
●駅から学校まで駆け足で10分
乗り換え2回をはさんだ長いルートで、車中ではたっぷり読書ができました。 男の子ならこのくらいの通学は可能という例として書きました。
【2:合格させるか落とさせるか】
生徒の気質に応じて大きく変わる大切な要素です。
弱気になりがちな子には合格を取らせてあげましょう。 偏差値から見て合格して当然と頭では理解していても、気持ちの動きは別です。 「いらっしゃいと言ってくれた学校が有る」という通知を受け取ることで表情が変わります。 合格を取らせるための1月受験が件数としては一番多いです。
逆に妙に強気な子、私が「根拠無き自信」と呼んでいる「僕はまだ本気を出してないだけ」系の子は落としましょう。 もしも不合格でやる気が萎えてしまっても、まだ復活させる日数はあります。
「あと一歩本気になれれば伸びる」と感じる子には、受験の回数は増えますが受かりそうな学校と落ちそうな学校ではさむ、というパターンも考えられます。 どこを受けさせるかという選択は、12月までの模試の成績と直近での学習への姿勢から判断することになります。
【3:東京会場か現地校舎か】
地方校の東京会場入試は、雰囲気的にはほぼ「模試」です。 模試を毎月受けてきたリズムを崩したくない、冬期で勉強した成果を数字で見たい、といった目的で1月受験をする場合は移動の負担の少ない点を重視してこれになります。
ただし模試と違って受験生全体の中での位置付けは出ませんので受験校の選択がポイントになります。 受かりそうな学校と落ちそうな学校ではさむというパターンか、偏差値が実力相応かつ本人の点数を開示してくれる学校を受験といったパターンが考えられます。
合格しても通う予定は無いけれど現地校舎で受験する目的は「雰囲気に慣れておくこと」と言うか、「すさまじい現場の雰囲気に2月の本番で飲まれてしまわないこと」です。 受験人数の多い学校だと集合時刻の40分くらい前の正門前は異様な雰囲気に包まれています。 2月1日の朝に顔面が蒼白になった生徒を何人も見て来た経験からも、1月受験による体験をお勧めします。
と言う訳で、3つの視点から整理してみました。
もちろん必須ではありません。 費用も掛かるし、体力や時間への負担も小さなものではないです。 それでも、たくさんの人が1月受験をさせるのには相応の理由があります。 お子様にはぜひベストの環境を与えてやってください。