いわゆる「おさえ校」について考えを書きます。
私から受験生の保護者様にお願いしたいのは、『学区の公立中学校に進学する結論になるとしても、受験の中で合格を取らせてあげて欲しい』ということです。
集団塾の講師として受験相談をした時には「おさえ校」無しの受験計画を変えるよう説得し切れなかった経験が何度も有りました。
「受験料が無駄」
「合格しても、行かせる気は無い」
「そこは、子が嫌だと申しておりますから」
「子どもが、そこで良いやと甘い気持ちになる」
お聞きする理由は様々でしたが、結果として全滅になってしまった場合に生徒の顔は見ているこちらがつらくなる表情です。
12歳の子が、何年も頑張って来た12歳の子が、どこからも「君は来なくていい」と言われるのですよ。
公立中学から高校受験というコースに切り換えるにしても、「合格した。でも行かずに(自分の意思として)高校受験をめざす。」という記憶を残させてあげて欲しいです。
インターネット出願によって受験前夜の23時59分とか、受験当日の朝まで出願のできる学校が増えて来ました。 これはありがたいです。
ただ、受験することに傾いたら、なるべく早い時期に担当する講師に話をして欲しいです。 受験が済んだ夜に電話をもらって「えっ、今日は○○中学に行ったのですか。」と驚いて、心の中で「○○を受けるんだったらアドバイスできる事が有ったのに。」と思うシーンが有りましたので。
大手塾の中には「おさえ校」の設定に消極的なところも有ると聞いています。 生徒の決意がにぶってしまうとか、ウチの模試は合格者の大半を占めているので模試の順位でほぼ確実に合否は予想できますから、といった説明で。
そういう塾の「全滅率」ってどのくらいの数字なのでしょうね。 絶対に外に出る数字ではなく、見えて来るのは御三家・難関校に何名合格!という数字ばかりです。
受験させる側の立場として私も「おさえ校」などという失礼な名称を使っていますが、わかりやすさ優先の表現として学校側の関係者にはお許しいただけると幸いです。
保護者様には「少子化の進む中、入試の難易度に差は有っても生き残りに努力していない学校など無い。」という事を心に留め置いて頂きたく願います。