前回の記事の続編として金属の酸化に関する問題を<割合の鶴亀算>を使って解く方法の解説をします。 例題は高輪中学の2014年度(平成26年度)C日程から大問の2を使いました。
前回(2018-12-15)の記事
高輪中学の2014年度(平成26年度)C日程から大問の2
【問題】・・・導入の問題文は以下のようなものです。
マグネシウムの粉末と銅の粉末をそれぞれ図のようにステンレス皿にうすく広げガスバーナーで加熱すると,空気中の酸素と結びつき酸化マグネシウム,酸化銅に変化しました。またそれぞれの加熱前と加熱後の重さの変化を表にしました。次の各問いに答えなさい。
設問の前半部分は金属の酸化に関する知識を問う設問ですので省略します。
またデータ表を含めて金属、酸素、酸化物の重さの関係を読み取る問題も省略します。
受験生は設問から必要な数値を得るので、ここまでの答えをまとめておくと
マグネシウムは、3の重さの金属が 2の重さの酸素と結びついて 5の重さの酸化物になります。
銅は、4の重さの金属が 1の重さの酸素と結びついて 5の重さの酸化物になります。
この数値を踏まえて枝番(6)と(7)を解説します。
(6) 同じ重さの酸素と反応することができるマグネシウムと銅の重さの比をもっとも簡単な整数比で表しなさい。
(7) マグネシウムと銅の混合物50.0gを同じように加熱したところ,できあがった酸化マグネシウムと酸化銅の混合物の重さが66.7gでした。マグネシウムと銅は,それぞれ何gずつ含まれていましたか。次の中からもっとも近い数値のものを1つ選び.記号で答えなさい。
ア マグネシウム40gと銅10g
イ マグネシウム30gと銅20g
ウ マグネシウム25gと銅25g
工 マグネシウム20gと銅30g
オ マグネシウム10gと銅40g
(6)の解説
これは簡単。単純に酸素の比の値をそろえるだけです。
3:8
この問題で解く時にとまどう、あるいはケアレスミスをする場合は、表を書かせましょう。 計算問題を解く時に腕を組んで問題文を睨むだけで解こうとする生徒がけっこう居ますが、紙に書いて整理させるだけで得点力は上がります。
(7)の解説
<割合のつるかめ算>で解きます。
面積図の横軸は、元の金属の重さ。 縦軸は、酸化するときの重さ増加の比の値。 面積が生成する酸化物の重さです。
斜線部の面積を高さで割れば元のマグネシウムの重さが10.08gと計算されます。
オ
普通のつるかめ算を面積図に書くと、横軸は頭の数、面積が足の数という具体的な数字です。 そして縦軸についても、実は「頭の数と足の数の比」という割合の数字なのですが、<割合のつるかめ算>になると割合の数字が整数でなくなるせいか、急に「わからない」という生徒が増えます。
中学受験の勉強では「わからない」の壁を乗り越えることがポイントになるシーンが多く見られます。 どうやって乗り越えさせるか、教える側の大切なスキルのひとつだと思います。