駒澤塾:中学受験の算数・理科

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ウィルス感染予防と次亜塩素酸

新型コロナウィルスの影響で学習塾も続々と休講が発表されています。 ウィルスに対する防御に使っている人も多い次亜塩素酸や亜塩素酸についてまとめてみました。 

 

次亜塩素酸 -Wikipedia-

次亜塩素酸(じあえんそさん、英: hypochlorous acid)は塩素のオキソ酸の1つで、塩素の酸化数は+1である。組成式では HClO と表されるが、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合した構造 H-O-Cl を持つ。不安定な物質であり、水溶液中で徐々に分解する。次亜塩素酸および次亜塩素酸の塩類は酸化剤、漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用される。

 

昨日は新型コロナウィルスの予防として健康な人が市販のマスクを着用するのはむしろ感染の危険性を高める場合もある。 むしろ消毒用アルコールを小分けして持参するなど手洗いを励行した方が効果があるという話を書きました。 つまり外出先での防御です。 

 

家庭内の防御については厚生労働省のサイトに解説があります。

www.mhlw.go.jp至近距離での感染者の接触が必要になるので「防御としてのマスク着用」も推奨されています。 そして着用時の注意も細かに説明されています。

今日の話題に関連するのは次の2つの項目です。

  5.日中はできるだけ換気をする。

  6.取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する。

見直して改めて気付いたのは、いわゆる空間除菌に関する記述が無いこと。

 

いわゆる空間除菌剤と呼ばれる商品としては大幸薬品のクレベリンが有名なので、その検索から始めて登場する用語を次々にたどってみました。 

調べ始めて後悔しました。 ネット上の検索から出て来る情報って、なんて言うか、エセ科学っぽいノイズ情報だらけなのです。 

エセ科学」とか「ノイズ情報」とかエキセントリックな表現をしていますけれど、そんな表現の理由はあくまで私の勘です、直感です。 

 ・ 科学用語っぽいけれど、そうじゃない単語が多く見られる。

 ・ 科学的におかしい記述の個人ブログが異様に多い。

 ・ それらが元ネタとするリンク先が業者のサイトしかない。

 ・ そこでは「学会発表」レベルの論文が文献として引用されている。

これらの特徴が、20年近く前に読んでいた浄水器に関わる科学的な検討サイト「水商売ウォッチング」に書かれていた内容と思いっきりかぶっているのです。

と言うことは、この話題に関しても生半可な覚悟で踏み込むとヤバイかも・・・

(「水商売ウォッチング」については今日の末尾にリンクを載せます。ヤバイ理由はそちらで。)

 

と言う訳で、私が読んで納得できた情報を中心に、判らない点は明記する形でまとめてみました。

 

まず、厚生労働省のサイトの第6項目にある取っ手、ノブなどの共用する部分の消毒するに使う消毒液について。

☆ 使うのは「ハイター」や「ブリーチ」です。 市販の漂白剤は濃度5%なので、キャップ一杯(約5mL)を500mLに薄めれば(水道水で良いです)、0.05%の濃度になります。

☆ 次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)の水溶液でアルカリ性なので、肌が弱い人は注意しましょう。 

☆ アルカリ性ですが強い酸化力を持っているので金属を錆させることに注意です。

☆ 有機物に触れると相手を酸化(殺菌など)し、自身も分解します。

☆ 殺菌力はpHを酸性側に寄せると増大しますが、塩素ガスを発生するので危険です。 酸と混ぜてはいけません。「混ぜるな危険」という表示の理由です。 

 

さて、厚生労働省のサイトには記載が無い「空間除菌」系の情報です。

私の家にも1月下旬からクレベリンGが置いてあります。 カルキ臭が安心感を生むので・・・

 

クレベリンにはG、S、Lの3タイプがあります。 Gはゲルタイプで「二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム液、pH調整剤、高吸水性樹脂等」の混合物です。 Sはスプレータイプ。 Lは原液を1000mL容器で販売しているものです。 

 

成分一覧にある二酸化塩素(Cl O2)って気体なのですけど、どのような形でゲルの中に入っているのかな? 亜塩素酸(H Cl O2)の形? それともナトリウムと付いた亜塩素酸ソーダの形? 安定化二酸化塩素という用語も見かけたけれど、それは特定の化学式と対応している物質ではないという解説もありました。 

 

三慶グループのサイトによると亜塩素酸(H Cl O2)は次亜塩素酸(H Cl O)と比べてジワジワと効力を発揮し、それぞれのナトリウム塩は更に別の挙動を示すと書いてあるけれど、大幸薬品のサイトには次亜塩素酸ナトリウムとの比較できわめてトリハロメタンを生じにくいという記述もあって、成分表から見て二酸化塩素と次亜塩素酸塩の比較? 

どうにも断片的な情報がバラバラのままで、パズルのピースがはまらない。 気持ち悪い。

 

クレベリンの類似品には品質の悪いものも有ったようで、国民生活センターにテストの報告が載っています。 それによると二酸化塩素ガスの放出に関して、クレベリンGは安定していたそうです。

但し、その効果に関しては消費者庁から文面に是正の措置命令が出たことがあります。 殺菌効果に関して過大な表現は控えなさい、と。 医学的な証明が出るまでは、あくまで雑貨あつかいです。 

私自身は首から下げるハンディタイプが発売された時点で、眉につばが付きました。 ジワジワ効くタイプの「空間除菌剤」を首から下げて、有効濃度を確保できるの?と感じて。

 

まぁ、いろいろ疑問は感じていますが自宅にはクレベリンGが置いて有ります。

カルキ臭が安心感を与えてくれますので・・・

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☆ ☆ ☆ 以下、「水商売ウォッチング」関連のリンクです ☆ ☆ ☆

水に関する浄水器などの広告の内容に関して、専門の先生が科学的な観点から疑問を投げかけたら何が起きたか、以下のリンク先にまとめが有ります。

第六十一回物理学会年次大会(2006年3月)シンポジウム「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」概要

https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/events/JPSsymposium0306/amou.html

 

上のリンク先に含まれているURLは途切れています。 

「水商売ウォッチング」の記録用アーカイブ

水商売ウォッチング

 

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