濃度(塩水算)の解法で<濃度てんびん>を使うときに、水分を蒸発させる問題はちょっと工夫が必要です。 例題は、世田谷学園の2011年(平成23年)の第一次試験から大問1の(2)です。
【問題】
3% の食塩水 200g と 8% の食塩水 300g をまぜたものから、水分を□g 蒸発させると 12% の食塩水になります。
【解説】
前半の混合は<濃度てんびん>を使いこなせる生徒なら頭の中にてんびんを描いて 30秒もかからずに次の暗算をできます。
・ 8% - 3% = 5%
・ 200g: 300g = ②:③
・ ② + ③ = ⑤ よって①=1%
・ 3% + ③ よって 6%
で、今日の本題です。
前半で得た6%を使って後半の問題文を書き換えると、こうなります。
『 6% の食塩水 500gから 水分を□g 蒸発させると 12% の食塩水になります。』
タイトルで書いた<タイムマシンでさかのぼり>というのは、最後の濃くなった食塩水から時間をさかのぼる、つまり 12% の食塩水を水で薄めて 6% の食塩水 500g にするには何gの水を加えれば良いでしょう、という問題に読み替えるということです。
これまた、<濃度てんびん>を使いこなせる生徒なら 30秒もかからずに次の暗算をできます。
・ 6% ー 0% = 6%
・ 12% - 6% = 6%
・ 6% : 6% = ① : ①
・ 500g ÷ ( ① + ① ) × ① = 250g
ちなみに、この問題に対する参考書の解説は以下のような内容でした。
(食塩の重さ)=(食塩水の重さ)×(濃度)より、3%の食塩水200gにふくまれている食塩の重さは、200×0.03=6(g)。 8%の食塩水300gにふくまれている食塩の重さは、300×0.08=24(g) となるので、これらの食塩水をまぜると、食塩の重さは、6+24=30(g)。 食塩水の重さは、200+300=500(g)になる。 また、水を蒸発させても食塩の重さは変わらないから、濃度が12%になった食塩水にも30gの食塩がふくまれている。 (食塩水の重さ)= (食塩の重さ)÷(濃度)より、このときの食塩水の重さは、30÷0.12=250gとわかるので、蒸発させた水の重さは、500-250= 250(g) である。
うわぁ面倒くさい。