駒澤塾:中学受験の算数・理科

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軌跡が逆戻りする場合、考えるカラス

直線上の円の転がり移動に関する投稿の第三弾です。 昨日の聖光学院の自転車の問題で、選択肢の(オ)や(カ)のように点が進行方向とは逆に戻る場合は無いのでしょうか。 実は有ります。 それがどんな場合なのかという話題と、Eテレのお勧め番組「考えるカラス」についての話です。

 

軌跡が進行方向とは逆に戻るのは、円盤と同期して回転する点が「円盤の外」に有る場合です。 例えばレールの上を転がる列車の車輪の「フランジの先」の動きが、これに相当します。

 

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    (図はCinderella Japan のサイトから引用)

 

ころがる円の円周上の点の軌跡をサイクロイドといいますが、それ以外の点の軌跡をトロコイドといいます。 上の図の場合、点が円の外に有りますから「外トロコイド」です。

 

点が円の転がる方向とは逆に動く、というのは面白い現象を生みます。

NHKのEテレに「考えるカラス」という番組があります。 ネットから検索すると過去の番組がユーザー登録等は不要で閲覧できます。 その第6回の糸巻きの問題が、今回の話題に関連しています。

【問題】

今日は、糸巻(ま)きを使った問題です。机(つくえ)の上に糸巻きをおきます。 少し糸が出ています。 ここからが問題。 この糸を、水平に引っぱります。 糸巻きはどう動くのでしょうか。

1.うしろ向きに回転して手からはなれる。

2.前向きに回転して引っぱった手に近づく。

3.その場で空回りして動かない。

答えは(番組の)最後(さいご)に…。

 

【解説】

正解は、2の引っ張った手に近付く、なのですが解説は・・・しません。

もともと、考えるカラスという番組は正解を発表した後、その解説を途中で止めて「あとは自分で考えてみましょう。」という構成です。 単行本も出ていますが、その本も解説は途中までしか書いてなく、書評欄がえらいことになってました。

 

サイクロイドとかトロコイドの動きは、スピログラフという玩具で遊んだことのある子は模様を描くペンを持った手の不思議な動きとして体験しているものですね。 古来、アリストテレスの車輪パラドックスとか、ガリレイの輪のパラドックスという形で人々の頭を悩ませる問題でした。

 

Eテレの「考えるカラス」という番組、特にその中の「考える練習」のコーナーは、公立中高一貫校などの思考型の入試に対しての良い教材になりますので、例題を取り挙げていずれ記事に書く予定です。

 

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