塾のテキストも市販の参考書も、必要条件ではなく十分条件で書かれています。 入試に出る(かも知れない)知識が全部載っていて、まじめな子ほど全てを覚えようとして成績を下げてしまいます。 と言う訳で今日は必須の10個の恒星と星座の話です。
理科の授業で、どうしても覚えるべき10個の恒星と星座として教えているものです。
【夏の大三角】
星図が示されて、そこから場所を選ばせる問題だと天の川が書き込まれていることが多いです。 衣が濡れるのを嫌って川岸でまっているのが織姫星。 待ちきれずに川の中にジャブジャブ入り込んで「おりひめ、蕩れぇ。」とか叫んでいるのが彦星。 それだけ惚れ込んでたんでしょうけれど、男ってのはしょうもない生き物ですねぇ。
【さそり座とオリオン座】 【冬の大三角】
「さそり座・夏・アンタレス」というセットは簡単に覚えてくれます。 そこから、狩人のオリオン座および狩人が連れている大犬と小犬は、さそりの居ない冬の星座という連想がつながります。(本当はオリオンと小犬は別の話なのですが) オリオン座には赤いベテルギウス、おおいぬ座には星空で一番明るいシリウス。 そこまで覚えてしまえば、冬の大三角で残る星の名は、こいぬ座のプロキオン一つです。
【星座と透明半球】
さそり座については、なぜ夏の星座なのかということを<星座早見>を操作させて確認させます。 さそり座は「南中高度が低い」というのがポイントです。
理科の上位クラスだったら<透明半球>を使って、「夏のさそり座」の動きは「冬の太陽」の動きに近いことを気付かさせて、それがなぜかを考えさせます。
原因の考察に使うのは、公転面に対して地軸を23.4度傾けて書いた<三球儀>です。 これを確認しておくと、「太陽と満月の動きの違い」も学ぶことができます。 (これの話は使えそうな過去問が見つかった時点で、いずれまた。)
下位クラスの場合は、オリオン座の三連星のミンタカを題材に<透明半球>とつなげます。 ミンタカは季節を問わず真東から出て真西に沈む、それはなぜ? という質問から恒星や星座は<透明半球>の上で固定された位置にあること、太陽の動きが季節により変わるのは、<透明半球>上での太陽の位置が変わるから、という知識につなげます。
この上位クラスと下位クラスの教え方の違いは、いわば地動説的な見方と、天動説的な見方の違いですね。 全部の知識を両方のクラスに教えるのが理想でしょうけれど、それぞれが受験する学校の問題レベルには、これで対応できるはずです。
【恒星の色】 【星座の形】
さそり座のアンタレスが赤いのはすぐに覚えます。 イメージが沸くのでしょうね、なにかを記憶するとき、無味乾燥な文字列よりも冗長化されたイメージ情報の方が覚えやすいという良い実例です。 そこからは一問一答で一気に必須知識の確認をします。
赤い色の星は? オリオン座のベテルギウス
場所は? オリオンの左肩
なんで赤く見えるの? 表面の温度が低いから
じゃぁ、赤く見える惑星は? 火星
なんで赤く見えるの? 表面の酸化鉄の色
オリオン座で青白い星は? 右下のリゲル
他に有名な青白い星は? おとめ座のスピカ
おとめ座の季節は? 春
なんで春の星座なの? ・・・あれ?なんでかな?
ということで、<星座早見>をもう一度使わせて、スピカが午前0時に南中するのは何月頃か確認させて終了です。