駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

虫食い算のレベル別攻略法

算数が苦手な生徒の中に<虫食い算>にまったく手が出ない子がいます。 解き方を覚えれば1つ多く丸を取れるのに、これはもったいない。 と言う訳で今日は<虫食い算>の解き方を取り上げます。 雙葉の1998年(平成10年) と 明大明治の2015年(平成27年) です。

虫食い算の正答率は四谷大塚のテストで見ると、小5の組分けで50%、小6の第2回合判で80%くらいです。 まだ小5では苦手な生徒が多いのですね。 

失点の原因は、途中式が汚いために項の見落としをする場合が多いですが、最初っから手を付けない生徒もかなりいます。 

 

 【問題】

今回の問題は分数だらけなのでブログの文中には式を書きません。

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【解説】

一番上は一般的な中堅レベル向けです。

<トーナメント表>を書き込んで、そこに途中の数字を暗算で書き足して行って答えを出しています。 通分をするときに、わざわざ書き写さずに問題文の式に書き込む形で楽をしています。 

 

次の真ん中は算数嫌いレベル向けです。

<トーナメント表>を書き込むところまでは同じですが、そこから計算の1ステップごとに「ア、イ、ウ・・・」を使って式をばらばらにしています。 

いったんばらばらにした式を書いたら、今度はそれを逆の順番に計算するだけです。 相当に算数が苦手な生徒でも、これなら答えにたどりつけるはず。

手間がかかるので慣れてきたら中堅レベル向けの解き方に移行して良いと思います。 ですが、絶対に得点しなければならない計算問題で失点した生徒には、ペナルティとしてこれで説き直させることもあります。 

一般的な解き方ではないので、決まった名称はありません。 私自身、<アイウエ逆算>方式とか<アイウ法>とかいろいろな呼び名をしています。 たぶん一番用いる名称は「ほら、あれ、アイウを使うやつ」かも知れません。 

 

本当は「御三家・難関校レベル」として、全体の逆算式を最初に作って計算の工夫をして行かないと地獄を見る問題を載せたかったのですが・・・見つかりませんでした。 

あれは、どこで見かけたのだろう? 4桁とか5桁の数字がばんばん並んでいる虫食い算を見た記憶が有るのだけれど・・・  もしかして、入試問題の過去問ではなくて、どこかの塾の学校名付きオープンテストかな?

 

とりあえず一番下に明大明治の問題を載せました。 式を見た瞬間にいかにも何か工夫をさせるような感触だったので、<トーナメント表>を書いた後に一気に全体を逆算をする式にして計算してみました。 

結果として1ステップずつ逆算をして行っても手間は大きくない問題でしたが、全体を鳥瞰しながら解くと同じパターンの繰り返しが見えるので、楽でミスも減らせると思います。 次に足す分数が見やすいので、分数の約分も途中で意識的に止めています。 

 

<アイウ法>は手間はかかりますが、確実にミス無く得点できます。 確実に得点できる力を早く身に付けさせたい問題です。 

 

 

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