学校の説明会や見学会の日程が次々に発表されています。 今日は生徒本人のモチベーションを上げる効果も有る学校見学のお話です。
中学受験は総力戦です。 生徒本人、保護者様、我々講師の三角形がきちんと廻った時に最良の結果が得られます。 それぞれの役割を果たすために私が良く口にする表現があります。
『子どもにはポジティブに、大人同士はネガティブに』
たとえば、見学の際にお子様の前では決して学校についてのネガティブな感想を口にしないで下さい。 お子様にとって保護者様は「絶対の存在」です。 保護者様にそんな気は無くても、ネガティブな感想を口にしただけで、お子様は忖度してしまう可能性があります。
もし「うわぁ、立地がど田舎。駅からも遠いなぁ。」と思っても、「まわりの自然が多くて素敵ねぇ。グランドも広くて充実しているし。」と言いましょう。
もし「うわぁ、校庭が狭い!校舎がボロ!通学路も飲み屋街!」と思っても、「歴史を感じる学校だったわね。通学路は夜でも人通りは多そうだし安心ね。」と言いましょう。
ネガティブな感想は塾の先生かママ友にぶつけましょう。 生徒が「ここは実は親が嫌がってる学校だ」とか思い込んでしまうと、併願校やおさえ校の設定をする際に無用の苦労をすることになります。
そしてネガティブな感想をはるかに超えて危険な言葉があります。
「 第一志望に落ちたら、ここに通うことになるんだよ。」
こうやって文字で見ると悪影響は明白に分かると思いますが、学校見学の現場でお子様のやる気を引き出そうとして口にしてしまいそうな表現です。
学校見学会で何を見るかという定番のリストは各塾の受験資料にあるので参考にしましょう。 それらの定番ポイントに加えて、私は教員室前の掲示板を見に行きます。 だいたいは無難なものだけを残して整理してあるのですが、たまに「順位表」とか「呼び出し」などの掲示が有ったりするので興味深いです。
見学会で案内に駆り出される在校生は「選出&指導済み」の仕込みですので、ご参考程度に。 在校生の本質を見たければ、朝の登校風景がベストだと思います。 でもこれは、お子様に小学校を休ませる必要は無く、親だけがちらっと見られれば十分。
2月1日から3日にかけて入試本番日の校門を見学される親子連れもいらっしゃいます。 それの是非については私は語りませんが、御三家や難関校の入試風景って純粋に面白いですよ。
中堅校だと始発電車に乗って出かければ応援に立つ場所は確保できるのですけれど、御三家クラスになると大手塾はチームを組んで前夜に乗り込みます。 そういう対応が必要になるレベルで進学塾の先生がびっしりと並び、その中を受験生が歩いて行くという状況は一見の価値があると感じます。
それにしても、2月初頭の厳寒期に校門前の路上でオール。 始発で来る先生も氷点下の路上で1時間半の直立待機。 まじできついです。 なんでそんなことするかって? 愛です、教え子への愛。
受験生の到着は集合時刻の30分前がピークですので雰囲気をつかむ見学もその頃がおすすめです。 ほとんどの受験生は40分前から20分前の時間帯に来るのですが、どこの学校でもNマークの生徒はやたら早く来ます。 ある学校で1時間半も前に来た受験生が居て、まだ控え室の準備が出来てなくて学校側が慌ててました。 数十分も控え室で待っていたら疲れてしまうと思うのですけれど、N塾さんはどういう指導をされているのかな?