1から100までの間に素数は25個あります。 この25個は暗唱できればベストですが、そうでなくても見てすぐに「あ、素数だ」とわかるレベルまで全員がなっておくべきです。 25個の素数をトントンパッと楽しい作業で拾い上げる手順を紹介します。
別に複雑な作業ではありません。
1から100までの数字を並べて、そこから素数でない数字(=倍数)を消し込んでいくだけです。
この100個の数字を並べて倍数をマークして行く作業は、小学校で使っている算数の教科書にも載っているものがあります。 ただ教科書でしているのは倍数を調べる作業です。 ここでやるのは逆に倍数を消し込むことで素数を調べるための作業です。
手順1: まず「1は素数じゃないよね。」と言いながら1にバツ印をつけます。 その時に1が素数でないのはなぜか生徒に尋ねることで「素数とは約数が2個だけの正の整数」という表現で約数が2個だということを強調しておきたいです。 約数が3個の整数や、約数が4個の整数を問う問題が出てきますので、約数の個数に意識を持たせておくと後で役に立ちます。
手順2: 2に丸印をつけて、2の倍数を縦の線でダダダダダっと消させてしまいます。
手順3: 3に丸印をつけて、3の倍数をトントンパッとリズミカルに消して行きます。 24あたりまで消したところで消される数字が斜めに並んでいることに気付けたら、後は斜めの並びでタタタっと消してもOKです。
手順4: 5に丸印をつけて、5の倍数を縦線で消します。 10の倍数は2の倍数のときに一回消していますが、あえてもう一度消させます。 10は2の倍数であり5の倍数でもあるということが頭の片隅にでも残れば、苦手とする生徒の多い「ゼロの並ぶ個数問題」を学ぶときに役に立ちます。
手順5: 7に丸印をつけて、7の倍数を消します。 集団授業のクラスでやるときには算数が得意で元気のある子を指名して7の段の九九を言わせながら消して行きます。
手順6: 残った数字は全て素数です。 四角印で囲って丸印4個とあわせて数えると全部で25個あるはずです。
小4とか小5、小6の算数が苦手なクラスだったらここでおしまいです。 次週の授業まで毎朝5回、素数を声を出して読み上げてくることを宿題にします。
算数が得意なクラスなら「今回7の倍数まで消して行ったけど、なんで?」という質問をします。 7の次の素数である11の倍数も消し込まないと残ってしまう数字は何か、その次の13は?と指示して自分で調べさせると、このクラスなら理由に気付くはずです。
素数を調べさせておぼろげでも記憶に入れることは、九九を終えた頃から(素数という用語を使うかどうかは別として)楽しみながらやらせておきたいです。
素数の記憶を持つことで分数の約分がすばやく確実になるのはもちろん、いろいろな問題で活かせる知識です。 そのあたりは、あらためて書いて行くつもりです。