私は問題の解説の際、かならず単元の分類を書き添えます。
目的は生徒の頭の中に「解法の引き出し」を作らせることですが、それについて詳しい話はいずれまた。
という訳で鴎友女子(鷗友学園女子中学高等学校) 2013年(平成25年) 第3回入試から
大問6番 <場合の数> <カード・ゼロ有り・重複無し> の問題です。
【問題】
0,1,2,3,4,5の6つの数字を1つずつ用いて、3けたの整数を作ります。
(1) 整数は全部で何個できますか。
(2) となり合う2つの数字の和が5にならないような整数は、全部で何個できますか。
(1)に関してはここの受験生なら1分かからずに正解がだせるはず。
百の位は、ゼロ以外の数字が使えるので、5通り
十の位は、残った5個のうちからゼロを含めて自由に使えるので、5通り
一の位は、残った4個から自由に使えるので、4通り
<積の法則>で、 5 × 5 × 4 = 100通り
(2)は合否に影響を与える設問ですね。
<場合の数>の出題で解くのにつまった時、生徒が取る行動は大きく分けて3種類。
A:なにもしない
B:全ての場合を<地味にコツコツ>書き上げて数える
C:適度に事例を書きながら、楽に解く方法をさがす
Aが論外なのは当然です。
付け加えて、「頭の中だけで考えて、判らないからとあきらめる」というのも、採点者から見れば何もしないのと同じです。
私は生徒に対して 「あと1点をもぎとる努力をしろ。解ける問題を全部解いて見直しも終えてまだ時間が有るなら地味コツで良いからあと1つマルを取れ。」と言ってます。
下位校の難易度の低い設問は書き上げられる範囲のことも多いし、逆に上位校では設定された条件毎にきちんと書き上げて考えないと解けない問題も多いですから、紙に書いて考えるというのはとてもたいせつです。
途中式を見てくれる学校で採点者が何かひらめきを感じてくれて部分点を1点でももらえたら、その1点が合否を分けるかも知れませんし。
とは言え、上の指示をするとなんでもかんでもB:の<地味コツ>で全部の場合の数の書き上げをする生徒が出て来ます。特に男子に多い。これへの対応は、いずれまた。
さて、(2)への対応です。
実はこの設問も<地味コツ>で全部の場合の数の書き上げで出来なくはないレベルではあるのですが、ちょっと工夫をすると楽に解けます。
その工夫とは、<逆の場合を考える>です。
「となり合う2つの数字の和が5にならない」ということは、与えられた数字の中から
{0,5} {1,4} {2,3} がとなりにならないのが何通りか考えよ。 ということ。
逆に言えば、{0,5} {1,4} {2,3} がとなりになる場合を考えて、それを(1)の答えの100通りから引き算すれば良いってことですね。
{0,5}の場合
50□ □に入る数字は4通り
□50 同様に4通り
□05 同様に4通り
<和の法則>で 4 + 4 + 4 = 12(通り)
{1,4}の場合
14□ □に入る数字は4通り
41□ 同様に4通り
□14 □に入る数字は0以外の3通り
□41 同様に3通り
<和の法則>で 4 + 4 + 3 + 3 = 14(通り)
{2,3}の場合も、同様に14通り
(1)の答えの100通りから、上の数字を引いて
100 - 12 - 14 - 14 = 60通り
<場合の数>の<カード>の問題は、<倍数判定>との組み合わせが多いです。
<重複有り>も含めて見直しておきましょう。