駒澤塾:中学受験の算数・理科

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11種の必須な水溶液

「水溶液が苦手」と口にする生徒は多いです。 そんな生徒が質問に来たときに、こちらから水溶液の性質を尋ねると即答できない子が居ます。 水溶液の名前も覚えずに「中和で出来るものの重さが計算できません」とか、「ABCを見分ける問題が苦手です」とか、安易に口にする受験生のなんと多いことか。 と言う訳で、今日は暗記必須な水溶液11種の話です。

小5に水溶液の授業をするときにノートに書かせる表です。 この表に書かれていることに対しては暗記が必須です。 それも「考えて」答えられるのではなく、即答レベルで。

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アンモニア水,塩酸,酢酸水溶液,アルコール水溶液,炭酸水,食塩水,砂糖水,ホウ酸水,石灰水,水酸化ナトリウム水溶液,重ソウ水、以上11種類について、この表を暗記してしまい、それを幹にして知識の枝葉を付けていく学習法をおすすめします。

 

「におい」に関しては、アンモニアと塩酸が「刺激臭」であるということ。 どちらも嗅いだ体験談を身振り付きで話して記憶に刻み込む工夫をしています。 アンモニアは「うぐっ、げふんげふん」で、塩酸は「つーん、げふんげふん」、そんな目に会わないために水溶液の臭いを嗅ぐときにはどうするか、そう、手であおいで嗅ぐわけだ、というかんじで。

 

「溶質」に関しては、加熱して水分を全部蒸発させると、固体のうち砂糖だけが黒くこげ、あとは全て白い粉末が残るということが必須知識です。

溶質が気体と液体の水溶液については、加熱して水分を全部蒸発させようとすると、溶質も蒸発してしまって何も残らないということ。 特に溶質が気体の塩酸と溶質が固体の水酸化ナトリウム水溶液については、中和に関する入試問題のほぼ全てがこの2つの組み合わせになりますので特に重要です。

 

「酸性?アルカリ性?」に関しては指示薬の色が必須知識ですが、リトマス試験紙を軸にしてアルカリ側からBTB液の青・緑・黄をひも付け、仲間はずれのフェノールフタレイン溶液、という順番で覚えさせています。 その際に「なんでフェノールフタレイン溶液なんか使うん? リトマス試験紙とかBTB液が有れば酸性かアルカリ性か調べられるよね? なんで?」と疑問を投げて考えさせると知識がより強固に記憶されます。

 

電解質か否か」については、まず中性の3種のうち砂糖水とアルコール水溶液が電解質でない(電気をほとんど通さない)という暗記をさせてしまいます。 その後(夏期講習などで)、「砂糖水やアルコール水溶液はどうやって作る? 砂糖やアルコールを水に溶かすだけだよね。 じゃ食塩水は? 食塩を水に溶かす以外の作り方は?」という質問で、「中性の水溶液で電解質を含むものは、中和反応で作られた水溶液」という知識を付与して記憶を強化しています。

 

一番下の欄は「身近にある化学薬品」です。 純粋な試薬としては入手困難でも、身近な商品の中に成分として勉強中の薬品が入っていることを知って、記憶を強化することが目的です。 塩酸を含んだサンポールは自転車のサビ落としに便利とか、石鹸は水酸化ナトリウムと油を混ぜたものであり、手がぬるぬるするのはアルカリ性水酸化ナトリウムが皮膚の表面のたんぱく質を溶かすから、そしてそれが殺菌作用の有る理由、といった情報も知識を強化してくれます。

 

フェノールフタレイン溶液を使う理由

pHの変化に敏感だからです。 酸性にアルカリ性を加えていく中和滴定を行うとき、酸性→中性を経由してアルカリ性になった瞬間、液全体がパっと赤い色に変わります。 BTB液だと「うーん、なんとなく黄色?」しか判らないですよね。

 

水酸化ナトリウム水溶液という名称

長い!長いよ。 しかも頻出の名前だから書く回数もやたら多いし。 先生によっては「水ナト」と書く人も居るようですが、私は5秒が惜しい受験直前期以外では極力フルネームで書きます。 原子記号を使って良いのなら「NaCl水溶液」で済むのに・・・

 

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