よく「過去問と同じ問題は2度と出ない」ということを聞きます。 では過去問の演習とは何のためにやるのでしょうか。 形式や傾向に慣れるため? いやいや、演習でやった過去問とそっくりな問題に受検本番で出会うことって有るのです。 ではそれはどんな場合?
そっくり問題が出るパターンの例です。
(1) 同じレベルの他校の過去問
(2) 志望校からのメッセージ
(3) 同年度、複数回受験の優遇策
(4) 出題者の代替わり
(1) 同じレベルの他校の過去問
偏差値の近い学校の問題を比べてみると、おどろくほどそっくりな問題を見ることがあります。
難関校では様々なパターンの出題があり、問題そのものがそっくりという例はまずありませんが、中堅クラスまでですと設問で聞いてくる内容までそっくりという物がけっこう有ります。
受験前の過去問演習はいわゆる「おさえ校」から「チャレンジ校」まで考えても偏差値としては上下10くらいの範囲におさめる場合が多いので、過去問の演習で失点した問題は絶対に見直しが必要です。
(2) 志望校からのメッセージ
過去問は学校からの「ここはしっかりやっておいてね。」というメッセージでもあります。
系列に医大のある中学校で生物分野のやたら詳しい知識まで要求して来るとか、教育の方向性が似た学校同士だと同じ素材からの出題があったりします。
(3) 同年度、複数回受検の優遇策
複数回の受験の設定された学校で、同一年度の第2回、第3回に前の回と共通項のある問題を出す学校があります。 上位校の第二志望校として後の回に受験生がどどっと流れ込んでくる学校に見受けられます。
「我が校を第一志望にした生徒に合格を出したい」という表れですね。
そのような位置付けの学校を受験する場合、過去問演習では優遇策の有無を確認しておきたいです。
受験の本番では、受験後の答え合わせ・点数試算は絶対に、絶対にしてはいけませんが、このような優遇策のある学校だけは例外です。
(4) 出題者の代替わり
めったに出ない事例ですが、出題者の代替わりがあると、その学校の大昔の出題のそっくり問題が出る可能性があります。
これは事前に読めるものではないので受験対策としては役に立ちませんが、出題された問題の分析中に「あれ?」と思って、情報が流れて来て「あ、なぁるほど。」と思うことが有ります。
そっくり出題のご紹介は、あらためて機会を作って。