駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

補助通貨、好きくない

ちょっと息抜き投稿です。 あえて言えば<和差算>なんですけれど、どっちかって言えば認知行動の話? と言うより、日々雑感?

 【問題】
 バットとボールはセットで1ドル10セントします。 
 バットはボールより1ドル高い。 
 ボールはいくらですか?  

 

【解説】

正直に白状します。 この問題を見た2秒後に「10セント?」って思った自分が居ました。 

中学受験の勉強をしている小学生なら2秒で<和差算>と気付き、10秒で正解の「5セント」を算出できる問題です。 
   ( 1$10¢ - 1$ ) ÷  2 = 5¢

ただし「ドル」と「セント」という通貨単位を知っている生徒なら、ですけれど。 むかし試験で「円」と「ドル」と「ユーロ」の換算をさせる問題があって、単純な比例の計算なのに異常に正答率が低かったことがありました。 通貨換算というもの自体がよく分からなかったらしい。 

 

 

自分も問題文を読み返した段階で間違いに気付きましたが、 「10セント」って答えを出してしまうのも、なんか判る気がする。  

もともとの問題は、ノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のカーネマン教授による実験らしいです。 元ネタの記事によると、ハーバードやプリンストン大学や、マサチューセッツ工科大学など一流校の学生たちも、即答させると50%以上が間違った答えを出してくるそうです。本当かな? 本当かも。

元ネタ記事
 WIRED JAPANESE EDITION (SCIENCE) 2011年11月1日

「人間の非合理性」を科学する



もともとは、人間の判断はいいかげん、っていう事をまじめに研究している先生が実験に使って来た設問らしいです。
不確かな状況に直面したとき、人間は情報を丹念に評価したり、関連のある統計データを調べたりしない。  その代わりに、知的ショートカット(mental short cuts)に判断をゆだねる。  そのせいで、しばしば馬鹿げた判断を下すことになる。  
このショートカットは、検討を素早く行うという行動を示すのではなく、検討をまったくやめてしまうというもの。  検討をやめてしまうという行動は、人間の愚かさの症状ではなく、それらは人間性の本質的な要素であり、長い進化を遂げてきた脳が持つ、避けがたい副作用なのである。
   ・・・と言うことらしいです。

なかなか面白そうなテーマですが、全然関係ないことを考えました。 

この問題、値段をドルとセントで表現しているのも間違えてしまう原因のひとつでは?って気がしてならない。

例えば同じ問題も「円」で書くと違った感じを受けるのです。
【算数の問題です】
 バットとボールはセットで110円します。 
 バットはボールより100円高い。 
 ボールはいくらですか?  

私だけかな? こっちの方が正答率が高くなる気がする・・・

現在、日本では通貨の単位として「円」しか使っていませんが、多くの国では基本通貨と補助通貨の両方を使っていますよね。

まぁ日本でも戦前は補助通貨の「銭」を使っていた訳ですが、補助通貨の有無は、どちらが世界の主流なのだろうか?

単純に慣れていないせいかも知れませんが、どうも補助通貨ってのは抵抗感があります。
小銭を大切にしない文化を生みそうな気がして。

海外旅行に行った先で、日本人がおつりがぴったりになるよう小銭を足すと驚かれる場合が多いですよね。
1ドル28セントの支払いに2ドル3セント出してクォーター3枚を受け取ろうとした場面とか。

 

去年だったか、おつりの枚数を減らすためのお金の出し方についてネット上で話題になってました。 
私はセルフレジや自動販売機だったらできるだけ小銭を使い、込んでいる店での支払いだったら札をシンプルに渡すという常識的な払い方です。 支払いのたびにジャラジャラとおつりの小銭をもらうと邪魔だし、ましてや海外でドネーションの瓶に放り込むのって、なんか抵抗感があるのです。

1円といえども、お金はお金。 

 

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