円や扇形の登場する問題が苦手な生徒には共通点があります。 今日は、そんな苦手を克服するためのコツの話です。
苦手を克服するコツと言っても「なんだ、そんなこと?」と言われるような簡単な事で、次の3段階の手順を「順番を守って」実行するだけです。
その1:中心を探せ
その2:半径を探せ、どんどん書き込め
その3:中心角を探せ
生徒にこれを言った時、ほぼ例外なしに「何それ?あったりまえじゃん?」という顔をされます。
でも一週間後に暗唱させると、言えません。
ほとんどの生徒が即答できないだけでなく、「半径を探せ」を最初に口にします。
何度も何度も、尋ねては暗唱させる、を繰り返して即座に順番を含めて言えるようになる頃、問題が解けるようになり苦手意識が消えています。
実際の入試問題で示します。 取り上げたのは昭和女子の平成22年A日程から大問5番です。
【問題】
直径 10cmの円の中に、同じ大きさの正方形が5つぴったりおさまっています。 この正方形1つの面積は何平方センチメートルですか。
【解説】
この図形の場合、「中心」はあきらかなので、まず「半径」を書けるだけ書き込んでしまします。
ここから、どう攻めましょう?
「面積」を尋ねられている問題ですから、「角度」かな?
参照:
komazawajuku.hatenablog.comko今回は残念ながら「角度」からのアプローチは無理なようです。
補助線を書き足してみましょう。
もし小6の夏期講習前あたりの時期だったら、この図を見た瞬間に「あっ、5分の1になる問題だ」と気付いて欲しいです。 小5の今の時期だったら、図形問題のパターンを色々な演習の中で覚えて行く時期ですので次のような等積変形を気付かせてあげましょう。
余計な補助線を消すと、こうなります。
円の直径が10cmですから、この正方形の面積(求める正方形5個分と等しい)は、「ひし形の面積の式」で求められます。
正方形の対角線の長さは、直径と同じ 10cm
正方形の面積は 10cm × 10cm ÷ 2 = 50平方センチメートル
求める正方形の面積は 50平方センチメートル ÷ 5 = 10平方センチメートル
図形問題を苦手に感じる原因はいくつかあります。
今回とり上げたのは、解くための手順を知らない、というポイント。
上でリンクを貼った過去の記事に中にも、『図形問題がわからなかったら、解説を下から逆に読んでみる』というコツを書きましたが、これも解くための手順のひとつです。
そしてそれ以外に、そもそも「解くための知識を覚えていない」というのも重要な原因の一つです。
では何を覚えれば良いのか?
「図形問題は数をこなして慣れるしかない」と口にする先生が居ますが、私はそういうのが嫌いなので「図形問題を解くための知識」を一覧にした単語帳を作ってしまいました。 その話は、いずれ、また。