駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

ミスを減らすためには:大人がすること

ミスを減らすための方策の続きです。 ミスの数を減らすために大人はどのような手助けをできるのか?ということを考えてみました。

そもそも人間はミスをする生き物ですから、「根絶は無理、できるのは数を減らすことだけ」ということは常に念頭に置いて考えたいです。 そして数を減らすための工夫も、ミスの発生を減らすことだけでなく、解きながらミスを発見する、見直しでミスを発見するなど細かく分割して、具体的にそれを一つずつ実施することが大切です。

 

それを踏まえれば、『ミスをするような子は本気度が足りません! そんなことで△△中に行けるかぁ! 受験なんかやめろやめてしまえぇっ! と怒鳴りつけ鉄拳を振るい根性を叩き直しましょう。』などと私が書くわけありませんよね。 叱ってミスが減るなら話は早いです。 いくらでも叱ります。 鬼にもなります。 そうならないのは叱るだけではミスは減らせないし、大きな弊害が出てしまうからです。

しかし一回のテストで4個も5個もケアレスミスをされたら怒ってしまうのもまた親心です。 「もぅぅぅ、なんで、この子は」って気持ちになるのはあたりまえです。 ですが、ここで「なんで?」っていう部分に注目したいというのが今日のテーマです。

 

なんで生徒はミスをするのでしょう? ミスを繰り返すのでしょう?

思いつくことを列挙してみると、

★見落とし:問題文の大切な部分を見落としてしまう。

★当てはめ:頭に浮かんだ解法を当て嵌めて「きれいな数字」が出て来たら満足してしまう。

★字が汚い:途中式の字が汚くて、自分の書いた数字を途中で見間違える。

★謎の文字化け:見易い字を書いているのになぜか次の行で別の数字に化けている。

★書き写しミス:解法は正しく計算も合っているのに、解答欄への書き写しで間違える。

これらのミスに対しては、昨日の投稿「ミスを減らすためには:生徒がすること」および、このブログで書き続けている「解法の引き出しの形成」と「解法ツールの習得」でかなりの物が削減できます。 でも生徒はおどろくほどそれらの対策を「知らない」んです。

 

子どもは大人ではありません。 大人ならミスを厳しく叱責された場合に、どうすれば良いかを必死に考えて対策を実行できるかもしれませんが、なにをすれば良いか知らない子どもがきつく叱られたら?

ミスを厳しく、それは厳しく叱責されて来た生徒の答案で、計算問題の筆算をまったく同じ手順で6回も繰り返した跡を見て即座に保護者様に連絡の電話をしたことがあります。 計算間違いを無くしたくて、叱られたくなくて、褒めて欲しくて、でもどうすれば良いか分からなくて、何度も何度も同じ筆算を繰り返した生徒の様子を想像したら泣きそうになりました。

(ちなみにその6回の繰り返し、全部が同じ所で間違えていました。)

 

ミスを減らさせるために大人がすることの基本は『ミスしたこと自体を叱らない 叱るのは具体的に指示した対策をしなかった時』だと考えます。

子は親に嬉しい顔をして欲しいものです。 返却された答案をふたりで確認して、「げっ、またこんなケアレスミスをしてけつかる」などと思いつつ、ぐっとこらえて対策を指示済みのミスかどうか仕分けして、指示済みの対策をしてなかった所だけびしっと叱る、これが出来ればベストということです。

 

ミスを防止するための対策がわからない場合、それがわからない理由はミスの原因を分析できていないからですので、先生を上手に使って欲しいです。

 

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