駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

消化と吸収:駒場東邦の入試問題

<生物><人体><消化と吸収>単元の入試問題にどのような内容が出るかという例として、駒場東邦の2013年(平成25年)から大問の4番です。 駒場東邦医大系列のため生物分野は難しい傾向があります。 

 

【問題】

図はヒトの体の中を、消化に関する部分を中心に示したものです。

 

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(1) 口からこう門までの食べ物の通り道を何といいますか。 

(2) 口とAでの消化に関する次の文章の(  )に適切な言葉を入れなさい。

「口での消化は( ① )で食べ物を細かくするだけでなく、 ( ② )が口の中に出てきて食べ物の中の( ③ )をさらに小さく消化する。 A には( ① )はないが、この中でも食べ物は消化される。 ここでは( ④ )が出てきて食べ物の中の( ⑤ )を( ⑥ )ことで消化する。」

(3) Bでは消化は行われませんが、体にとって大事なはたらきをいろいろとしています。ここで行われていることを次のア ~ クからすべて選び、記号で答えなさい。

ア. 酸素を取り込む

イ. たんじゅうを作る

ウ. あせを作る

エ. 養分をたくわえる

オ. 体に有害なものを血液から取り出す

カ. 体に有害なものを無害にする

キ. 尿(にょう)を作る

ク. 血液を作る

(4) C では消化以外に吸収も行われています。

 ① C の内側のかべは、吸収を効率よく行うために、どのようになっていますか。

 ② 吸収される養分の多くは、 C の内側のかべからどこに取り込まれますか。

 ③ ここで吸収された養分の多くが、まずはじめに行く内臓(ないぞう)の名前は何ですか。

(5) D では主にどのようなことが行われていますか。

《補足の追記: 解答欄の大きさは、(4)の①②③が数文字、(5)が10文字程度 です。》

 

 

【解説】

消化に関する基本知識を確かめてくれる良い問題です。 

(2)の⑥は胃におけるたん白質の消化に関する質問ですので、「小さくする」は誤りです。 単に粒を小さくするのではなく、消化酵素のペプトンによって「分解」されます。 

(3)の肝臓のはたらきとして「胆汁を作る」「養分を蓄える」のほかに「毒素を分解する」というものがあります。 ちなみに ア.酸素を取り込む→肺  ウ.あせを作る→汗腺  オ.体に有害なものを血液から取り出す→尿をつくる腎臓と二酸化炭素を排出する肺  キ.尿(にょう)を作る→腎臓  ク.血液を作る→骨(骨髄)  となります。

(4)の②は問題文の中にある「養分の多くは」という記述に要注意です。 脂肪の占める割合は低いのでリンパ管が除外されます。 

【解答】

(1) 消化管

(2) ①歯 ②だ液 ③でんぷん ④胃液 ⑤たん白質 ⑥分解する

(3) イ、エ、カ (くんで要完答、不順可)

(4)

  ①表面積が大きい (ひだ状、柔毛がある、も可)

  ②毛細血管 (血管、門脈、も可)

  ③肝臓

(5) 水分を吸収している

 

<消化>の単元はテキストに載っている情報量がとても多いので苦手な生徒が多いですが、生物に難しい問題を出す駒場東邦でも大問の4番でこのような設問です。

必須知識をまとめたノートを明日の記事に載せます。 

 

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