図形の回転移動は3つの手順を順番通りにやれば解けます。 易しめの例題を使って基本となる手順をまとめました。
例題は渋谷学園渋谷の2007年(平成19年)の第1回入試から大問2番の(2)です。
質問に来る生徒の様子を見ていると、頂点や辺がどこに移動するのか、複数の事を同時に考えようとして混乱してしまっていることが有りました。
たしかに図形は形を変えずに回転移動して行くわけですが、頂点や辺すべての動きを頭の中で考えるのは「マジック・ナンバー・オブ・セブン」の面から、無理です。
「マジック・ナンバー・オブ・セブン」を解説した記事
すべての要素を同時に考えるのは無理ならば、どうやれば上手に分割できるのか、それを生徒に教える方法が回転移動問題を解く3つの手順です。
手順1:中心をさがせ。
手順2:半径をさがせ。どんどん書き込め。
手順3:中心角をさがせ。
この手順を、この順番で、何度も唱和させるのですが・・・
解けるようになれない生徒は共通して、覚えて無いです。
3つの手順を質問すると、しばらく考えて「・・・、半径?」
【問題】
図のような直角三角形を、図のように直線上をすべらないように1回転させます。
このとき、頂点Aが通ったあとの線の長さはおよそ[ ]cm です。
ただし、円周率は 3.14 とし、答えは小数第2位を四捨五入して、小数第1位までもとめなさい。
【解説】
上の図を見れば、解説は不要だと思います。
求める長さは、
1cm × 2 × 3.14 × 1/4 + 2cm × 2 × 3.14 × 5/12 =
3.14 × 13/6 = 6.803333・・・
よって四捨五入して 6.8
図形の回転移動に関する問題のバリエーションとしては、
移動する図形 [三角形、四角形、正n角形、扇形、円など]
基準線の形状 [直線上、図形の外側、内側など]
などの組み合わせで入門編から御三家クラスまで、いかようにも難易度を調整できます。
単純に「図形の回転移動」とひとくくりにするのではなく、合格を狙う学校の出題レベルに応じた学習が出来ると効率良く進められます。
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