今年の海城中学では1時間が60分でない変則的な動きをする時計の問題が出題されました。 類似の問題は中堅クラス以上の学校で意外なほど頻繁に出題されています。 習得しておく必要がありますので解説を書きました。
変則的な動きをする時計の問題は、以前も取り上げました。
他にも数多く出題されています。
青山学院 2008年(平成20年)
渋谷学園渋谷 2008年(平成20年)
都市大学附属 2011年(平成23年)
という訳で、 海城中学 2020年(令和2年) 大問5 の問題と解説です。
【問題】
ある星では、1日が8時間で、1時間が40分です。 この星の時計は下の図のようになっており、例えば、図1は3時ちょうど、図2は 3時20分を表しています。 次の問いに答えなさい。
(1) 3時32分のとき、長針と短針がつくる角のうち、小さい方の角の大きさは何度ですか。
(2) 長針と短針のつくる角の大きさが90°となるのは1日で何回ありますか。
(3) 現在 4時16分です。 次に長針と短針のつくる角の大きさが 128° となるのは何分後ですか。
【解説】
まず長針と短針の動く速さを計算しましょう。
長針: 360 (度) ÷ 40 (分) = 9 (度/分)
8 (時間/日) × 40 (分/時) = 320 (分/日)
短針: 360 (度/日) ÷ 320 (分/日) = 9/8 (度/分)
(1) 時刻から角度を計算するという時計算の中では最も簡単な問いです。
針の動く速度が通常の時計と異なって感覚が狂いやすいので、泥臭く長針と短針の動きを個別に計算して答えを求めることにします。
長針: 9 (度/分) × 32 (分) = 288 (度)
短針: 45 (度/目盛り) × 3 (目盛り) + 9/8 (度/分) × 32 (分) = 171 (度)
よって、 288 - 171 = 117 (度)
(2) スマートな方法と泥臭い方法の2通りを説明します。
スマートな方法:
2時00分ちょうどと6時00分ちょどは短針と長針の角度が90度ですから、その直前の1時台と5時台に90度になるのは1回しかありません。
よって、 2 (回/時間) × 8 (時間/日) - 2 (回) = 14 (回)
泥臭い方法:
時計の文字盤の図を簡単に書いて数えてしまっても、3分もあれば正解がだせます。
文字盤の図を書くコツは、まず短針を文字盤に置いてみて、そこから長針の場所を考えることです。
(3) まず 4時16分の針の位置を計算して、<追いつき&追い越しの旅人算>で解きます。
長針: 9 (度/分) × 16 (分) = 144 (度)
短針: 45 (度/目盛り) × 4 (目盛り) + 9/8 (度/分) × 16 (分) = 198 (度)
198 - 144 = 54 (度)
( 54 + 128 ) ÷ ( 9 - 9/8 ) = 23と1/9
16 (分) + 23と1/9 (分) = 39と1/9 (分)
よって、 4 時 39と1/9 分
今回の記事では省略しましたが、実際に解くときには必ず時計の文字盤の図を簡単に書いて『メド』をつけて欲しいです。 次の記事も参考にしてくださし。