駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

立教新座2012年第1回の算数:大問5番

受験教育に対する紋切り型の批判として「知識や解法の丸覚え」という表現を頻繁に見ます。 しかし、あるレベル以上の学校には本質を理解していることを求めて来る良問がたくさん有ります。 という訳で立教新座の2012年(平成24年)、第1回入試の大問5番 <時計算>の本質的な理解を尋ねる私の大好きな問題です。

 【問題】

 太郎君は、地球よりも1日の時間が長い星を想像して、そこで使う時計を考えました。 この星の1分は地球の1分と同じにしました。 この星では1時間が80分、1日は午前16時間、午後16時間で32時間です。 図は、この星で使う時計で、2時64分を表しています。 次の問いに答えなさい。

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(1) この星の1日は地球の何時間何分ですか。

(2) 図の長針と短針でつくる角度を求めなさい。

(3) 図の時刻から、次に長針と短針が重なるのは、この時計の何時何分ですか。

 

【解説】

(1) 1分の長さ(だけ)が同じですから、まずこの星の1日が何分かを計算します。

   80(分/時間) × 32(時間/日) = 2560(分)

   2560(分) ÷ 60(分/時間) = 42(時間) 40(分)

 

 (2) この星の時計の1目盛りは 360(度) ÷ 16(時間) = 22.5(度/時間)

   よって2時ちょうどの長針と短針の角度は 22.5 × 2 = 45 (度)

   長針の速さは 360(度) ÷ 80(分) = 4.5(度/分) = 9/2 (度/分)

   短針の速さは 22.5(度/時間)  ÷ 80(分) = 9/32 (度/分)

   よって

   64分間で短針は 9/32 (度/分) × 64(分) = 18 (度) 動く。

   64分間で長針は 9/2 (度/分) × 64(分) = 288 (度) 動く。

   2時64分に、長針は45(度)を追いつき、追い越して先に進んでいるから、

   長針の動いた角度288度から初めの45度と短針が逃げた分の18度を引いて

   288 - ( 45 + 18 ) = 225 (度)

   小さい方の角度は 360 - 225 = 135 (度)

声の教育社の過去問題集では 135(度) だけを正解としています。 しかし問題文の中に「小さい方の角度を答えなさい。」という指示は有りませんから、私は 225 (度)  も正解だと思います。 ひとつ気になる事があるとすると、問題冊子の表紙に記載された注意の4番にある「答はできるだけ簡単にしなさい。」という記述ですが、135と225の違いは「簡単かそうでないか」ではないと思いますので両方とも正解で良いと考えました。

 

(3) これは(2)が正解できた生徒なら着実に得点できると思います。

   <時計算> <角度→時間>の中の<針の重なり(角度=ゼロ)>

   という解法で、長針と短針の速さが通常と異なるだけの<角速度の旅人算・追いつき>ですから、2つの針の初めの角度を速さの差で割るだけです。

   135 (度) ÷ { 9/2 - 32/9 } = 135 ÷ 135/32 = 32 (分)

   よって

   2時64分 + 32分 = 2時96分 = 3 (時)16 (分)

【補記】

この(3)は、解答用紙に「式や計算を書きなさい。」という指示があるのですが、採点者はどのようなポイントを見たいのかな? 多段階の処理を要する問題なら途中式での加点もしやすいけれど、この(3)でしているのは割り算と引き算がひとつずつだけ。 この入試問題で他の問題を見ると、次の大問6ならダイヤグラムを読み取る旅人算なので問題把握や解法立案の部分評価をやりやすいと思うのですが・・・

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