駒澤塾:中学受験の算数・理科

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時事対策:気象の見直し用の基礎知識

2018年は地球温暖化の影響もあり気象関連の災害の多い年でしたので、入試でも気象に関連した出題が予想されます。 そこで気象に関する基礎的な知識の解説を載せます。

あらためて検索してみたら、このブログで<地学・気象>のことを書いたのはフェーン現象についての以下の一件だけでした。 

komazawajuku.hatenablog.com

 フェーン現象もそうですけれど、気象の理解をするためには<水の三態>すなわち水が液体から気体や固体に変化するときに何が起きるのかを知っていれば大きな助けになります。

そして、それの前に必要なのが「気体の膨張・圧縮と温度の変化」の知識です。

下の図は小4に気象の授業をするときの冒頭部分の準備ノートです。

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最初にするのは熱気球の話です。 空気は暖めると膨張してまわりの空気よりも軽くなる。だから熱気球は浮く訳です。

そもそも空気ってのは重さがあって、1リットルあたり1.3グラム。 とても軽いように見えますけれど、例えば12畳ほどの部屋の中の空気の重さは子ども一人分の体重くらいあります。 

そんな空気が頭の上にずっしり乗っているので、その分の圧力がぎゅーっとかかっていて、おどろくことに1平方センチあたり1キロにもなります。

気圧をあらわす単位がhPa(ヘクトパスカル)で、1気圧は1013hPa

山に登ると、つまり標高の高い所に行くと、頭の上にのしかかる空気の量がそれだけ少なくなりますから気圧は下がります。 

 

ここから気象の話です。

気象の活動のエネルギー源は太陽です。 太陽の光は大気を直接は暖めません。 まず地面を暖め、その熱が大気を暖めます。 だから太陽の南中時刻が12時頃なのに対して、地温の最高温度は13時頃になり、気温の最高温度は14時頃になります。

地面近くで暖められた空気はふくらみます。 すると熱気球と同じでまわりより軽くなるので上昇を始めます。 

上昇すると標高が高い場所に行きますので気圧は下がります。 気圧が下がると今度はそれが原因で空気はふくらみます。 ふくらむと、空気は温度が下がるんです。

空気の温度が下がると、それまで水蒸気という形で空気に溶けていた水が水滴や氷の粒に形を変えます。 するとそこで熱を放出します。(美味しい野菜炒めの話)

熱を放出する→空気の温度が上がる→膨張する→軽くなる、ということで、まわりから暖かい湿った空気が供給され続ける限り、発生した上昇気流は昇り続ける訳です。

その場所の空気が昇り続けるということは、地表付近の空気は上空に持ち去られ、まわりから空気が流れ込む気圧の低い場所になるということです。 これが低気圧です。

上空に昇った空気はいつか降りて来なければなりません。 これが高気圧です。

低気圧が(まわりから吹き込んで来る風に押されて)ぎゅっとまとまった大きさになるのに対して、余った空気が降りて来る高気圧はだらしくなく広がった大きさになります。

また高気圧地帯で上空から降りて来る大気は低気圧で水分を放出した残りですから、高気圧のおおった場所は「良い天気」になります。

 

ここまでが気象の授業の冒頭部分ですが、これだけ確認しておくだけでも入試問題を考える基礎になるはず。 この話題、明日また続きを書きます。

時事対策:気象の見直し・水の三態 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

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