駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

先生向け:Zoom設定の必須項目

タイトルに「先生向け」と付けて、Zoomを使って遠隔授業の準備をするポイントを書きます。 予定しているのは、「タブレットによる最小構成」、「複数台のPCを使った構成」、「Web自習室」の3種類です。 タイトルには「先生向け」と付けますが、生徒側から読んでもZoomで何が実現できるか判る記事になると思います。 

順次公開して行きますが、この記事ではどのケースでも基本となる設定や注意点について先にまとめておき、各記事からの参照先として使います。

 

おそらく追記や修正の項目が出ると思いますので、その節にはこの記事を改訂して行きます。

2020年04月19日01:30 最初のバージョンを掲載

2020年04月19日12:00 便利な小技U01:からU03:までを追記

2020年04月20日09:00 便利な小技U04:を追記

 

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【セキュリティ】

Zoomのセキュリティに関して巷間話題になっているのは3点です。

 1:個人情報の漏洩

 2:不審者の乱入(卑猥な画像の投稿など)

 3:機密情報の漏洩リスク

これらに加えて「悪意のあるホストからのリスク」を書き足して、参加者側から見て気をつけることを以下の記事にまとめました。

komazawajuku.hatenablog.com

 

さて、それではミーティングの設計をするホスト(先生)側の設定ですが、実際の設定画面のどこで何をするかについては書きません。 

 

iPad版とWindows版でUIがまるで違うし、用語の統一すらされてないし、バージョンアップでいつ変わるかわかんないし(この数日間でもバージョンアップが有りました)、各画面やサブウィンドウの名称が超適当(重複も多数!)だし、Zoomの公式ヘルプセンターですら現行の画面とだいぶ異なるハードコピーが貼り付けられていますし・・・

Zoom ヘルプセンター

 

S01:参加者は固定するのが望ましい

Zoomのセキュリティ設計に対しては、事前に個人情報を収集しておけるか、その場での参加を認めるかで大きく変わります。 

集団授業とかWeb自習室の運営ならば基本的に参加する生徒の情報を得ておけると思いますので以下はその前提で書きます。

どこまでの情報を受け取っておくかはケースバイケースだと思いますが、私なら事前に面接目的の訪問をしておきたいです。 生徒の顔を知っておけば授業中のセキュリティのレベルが格段に上がりますが、その目的で顔写真を送って頂くのも躊躇しますので。

 

S02:電話回線の利用を止める

日本国内では、これは不要ですね。 デバイスのオーディオを使うように設定しておけば、参加者の画面に「電話のオーディオに切り替える...」と表示されなくなるはずです。 たぶん・・・知らんけど。

 

 

S03:待合室を必ず使う

待合室の機能を使って、先生が許可した人だけがミーティングに入れる機能はぜひ使うべきです。 先生は名前を見て許可を出しますので、どんな名前で参加するか事前に決めておく必要があります。 

この名前は参加中ずっと各参加者の画像に表示されますので、本名を使うかニックネームにするか、参加者の構成によって調整することをお勧めします。

名前は「ミーティングに参加」の画面でミーティングIDの下にある欄で変更できますが、生徒がお母さんのスマートフォンを借りて参加して、名前の変更を忘れ、お母さんの妙に可愛いニックネームがばれるという微笑ましいトラブルも起きたりします。

 

S04:PMIは目的により使い分ける

ミーティングの番号(ID)には、毎回異なるミーティングIDを使うか、ホストに割り当てられたパーソナルミーティングID(PMI)を使うか、選べます。

毎回異なるミーティングIDを使うなら、参加者全員にIDの番号を直前に連絡する手間はかかりますがセキュリティのレベルは上がります。

PMIを使うとミーティングIDを伝える手間は無いですが、次で触れるパスワードの設定を省略したPMIが流出すると、不審者の侵入を許してしまいます。 

 

S05:パスワードは絶対ではない

ミーティング毎のID、PMIの両方に、パスワード無しのログインを許すという「とっても便利な機能」がZoomにはあります。 

毎回異なるミーティングIDを使う場合はパスワード無しで良いと思います。 パスワードを必須にすると参加者(生徒)は安心感を得るかも知れませんが、パスワードごと流出したら同じことですね。 

待合室を使わずにセキュリティの二段階認証を実現するには、PMI利用の場合にパスワードが必須になります。 この場合には適度な間隔でパスワードを変更するという手間が発生します。

 

S06:マイクとカメラはOFFでスタート

参加者の居る場所が現実の会議室ではなく、生徒の自宅からになりますのでミーティングの設定でマイク(項目名はオーディオ)とカメラ(項目名はビデオ)は初期値をOFFにしておいた方が「安全」です。 マイクやカメラの使用開始を生徒してもらうと、カメラの視野から逃げ出して行くすっぴんのお母様の後姿を見ずに済みます。 

 

S07:ホスト役は必ず終了で(退出に注意)

 (確認中)

 

 

【便利な小技】

 

U01:緑色か青色の模造紙

Zoomには背景だけを別の画像に置き換えるという機能が有り、画像は自分でも登録できます。 スタジオ・ジブリではこれに使えるよう、画像を公開しています。 

この画像の置き換え、部屋が狭くてとてつもなく散らかっている場合には機能しません。(私自身が体験しました。) そのような場合、緑色か青色の模造紙を貼ると解決します。

緑色でも青色でもきれいに背景消しをできるのですが、コツは自分が着る服にその色が無い方を選ぶこと。 緑色の服はセントパトリックデイのアイリッシュ以外では少ないと思いますが、青色の背景を使って青色の服を着ると不思議の国のアリスのチャシャ猫の絵になります。 

 

U02:ヘッドセットかイヤホン

スピーカーで音声を聞きながらボリュームを大きくしすぎると、キーンとかキョロキョロといった異音やエコーのかかったような変な音声になることがあります。 

これはスピーカーからの音声がマイクで拾われてしまうハウリングという現象や、それを抑制するためのプログラムによる加工の影響などが原因です。 

特に同じ部屋の中で複数台を同時使用するとZoomに仕込まれた抑制プログラムが働きませんので、確実に、かつ我慢できないレベルでハウリングが発生します。

もともとZoomでは音声の品質があまり良くないですから、これは困ります。

防止するためにはスピーカーから音声を出さないのが基本です。 ヘッドセットかイヤホンを使えば良いわけです。 

TEDで使っているような格好の良いヘッドセットを買いたくて市中の電気店をまわったのですが、在宅勤務と「Made in China」製品の物流停止の相乗効果で店頭在庫は皆無です。 Amazonの入荷予定を見ると5月の中旬頃には流通が再開するようですが、それまで私はイヤホンを使ってしのいでいます。 

 

U03:インストールはテスト環境で

まだZoomをインストールしていない人は、受け取ったミーティングのURLにアクセスすればインストールの手順に誘導されますが、初回の参加で手間取ってしまいます。 

それを防ぐために事前のインストールをお願いしようとすると、手順の指示が面倒です。

早稲田アカデミーでは生徒及び保護者向けのオリエンテーションと称して事前の説明会をZoomで行い、授業本番でのトラブルを防止しました。 

生徒に事前にZoomのインストールをお願いする場合の楽な方法としては、『「ズーム テスト」で検索して、ZOOMヘルプセンターに有るテスト用のURLにアクセスしてもらう』という指示がシンプルでわかりやすいと思います。

これでうまく出来なかった人だけにサポートをするのが、たぶん一番楽です。

 

 U04:マニュアルの画面イメージに注意

(2020/4/20追記)これは「便利な小技」とは書きたくないのですが・・・

Zoomを使う基本は「習うより慣れよ」だと感じています。

操作の体系が整理されていないので操作を覚えるのは樹形図をたどるような学習法が取れず、景色で道順を覚えるような方法になります。 

 

参加者としてZoomを使うだけなら、これで充分です。 難しくないですし、直感的に使っても大きな実害は出ませんから。 

ですのでネットに多数有る「Zoomの使い方マニュアル」をしっかり学習してから使うのではなく、いきなり使い始めてしまった方が効率的です。

タブレットとパソコンで画面のデザインがだいぶ異なりますし、加えてZoomには「その時に使える機能によってボタン等の表示が変わる」という「とても便利な機能」が有りますので、マニュアル画面と手元の実際の画面は一致しない場合が有ります。

 

参加者としてならそれで良いのですが・・・

ホストとしてミーティングをデザインする場合、それも社内会議の主催ではなく外部から参加者を招いて行う場合、試行錯誤で設定のミスを見つけて行くという方法を取ったら無責任と非難される可能性が大きいです。 

生徒を集めての学習指導は、かなり微妙な個人情報を扱う業務ですからセキュリティ等の設計はしっかりやる必要が有ります。

私は景色から地図を作るような作業、その景色が歩くたびに変わり、住所表示が不統一で、歩く立場によっても見える景色が違うという泥沼にはまりました。 

学習指導の仕組みを作る先生方にはしっかりした設定をして欲しい、それも一連の「先生向け:」という記事に手間をかけている動機のひとつかも知れません。

 

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