SapixがZoomを使った双方向Web授業を5月7日からスタートするという事で、何を準備すれば良いか話題になっていますが、Windows機を買った方が良いとか、高速回線が望ましいとか、ヘッドセットが必須といった意見が見受けられます。 これらは授業を受けるだけならややオーバースペックに感じましたので、授業を受ける側で必要な最小限の機材を考えてみました。
<<保護者様の機材を使う場合>>
保護者様のスマートフォン、タブレット、パソコンなどが使えるならとりあえず授業は受けられます。 ただし、スマートフォンの場合は、画面が小さいことで文字が見づらいおそれが有ります。 先生側が文字の大きさなどを配慮してくれれば良いのですが、まだ使い方に慣れていない先生も多いようです。
<<授業用機材の追加導入・接続回線について>>
新しく機材を入手しなければならない場合、自宅に無線LAN(いわゆるWifi)が有るかどうかで大きく影響を受けます。
無線LANが既にある場合、選択は楽です。 機材を買うときに「これ、ワイファイにつながりますか?」と尋ねてOKならばスマートフォン、タブレット、パソコンどれでも大丈夫です。
自宅に無線LANが無い場合は、4つの選択肢に分かれます。
1:保護者様の携帯からデザリングで接続する
2:無線LANを導入してしまう
3:格安SIMでネットに接続する
4:大手キャリアで回線契約してしまう
1:保護者様の携帯からデザリングで接続する
お使いの機種が対応しているなら割と楽に実現できる方法ですが、授業の時間中、保護者様の携帯がそばにないといけません。
2:無線LANを導入してしまう
ぽんと置いて電源をつなげればインターネットに接続し、無線LANの親機になってしまうという機械を利用するものです。 簡単で楽です。 「WiMAX」で検索してみてください。 月額三千円台くらいから有ります。
3:格安SIMでネットに接続する
購入した端末を屋外でも使いたいという場合や、とにかく安くネットにつなぎたいという場合は格安SIMを使うという選択もあります。 私はタブレットには屋外利用するためにUQモバイルの通話無しネット接続のみというプランで契約し、月額千円強で利用しています。
2020-05-19 追記:
格安SIMで接続する場合、月間の通信量上限に注意が必要です。 格安SIMを入れたタブレットからノートPCにデザリング接続してZoomに参加してみたら、1時間で1GBほどの通信量でした。
4:大手キャリアで回線契約してしまう
購入した端末を屋外でも使いたいという場合で、費用よりも確実性を重視する場合には大手キャリアのショップに行って全部やってもらうのも手かも。
<<回線の速度について>>
これについてはまだ調査や実験が必要ですが、一部で言われている数十Mbpsという通信速度は要らないと思います。 Zoomの圧縮率はかなり高いと思いますので。
Zoomの端末を複数使って送り出し側と受け取り側の画面を見比べていると、動きの有る部分の画像は強く圧縮して、動きの無い部分については精密に表示するよう圧縮の味付けがされているように感じました。 これはDVDなどのデジタル動画で使われている技術で、むかしコンテンツ系の仕事をしていた時にセル画アニメとデジタル彩色のアニメで画像の解像度の違いを疑問に思って・・・長くなるので以下省略。
<<授業用機材の追加導入・端末について>>
授業目的で買い足すなら最新型でなく中古品で充分に使えます。
上の記事は先生(ホスト)側で使うという前提で最新のiOSにアップデートできる機種をお勧めにしましたが、生徒側で使うならZoomのアプリが動かないような古い機種でないかぎり価格の下がった中古品でも問題は出ないと思います。
画面の大きさはiPad mini の7.9インチでも十分に使えます。
Androidタブレットも十分に使えますが、その場合はZoomアプリのインストール時に注意してください。 AndroidやWindowsで名前だけZoomをかたった悪意の有るプログラムをインストールしてしまったという報告が増えています。
パソコンの場合はカメラとマイクが内蔵されていない場合は外付けのWebカメラが必要になります。 ところがWebカメラは商品が市中にありません。 電気店の在宅勤務コーナーの棚はきれいに空ですし、通販ショップでは評価欄に恨み言が書いてあるような中国からの直送品がかろうじて購入できる状態です。 国内サードパーティーブランドの発送可能時期を見ると、流通が再開するのは5月下旬になりそうです。
Windowsのバージョンは古くても大丈夫です。 私が自宅内のLAN専用に使っているWindowsXPのノートPCでも正常にZoomアプリが動きました。
<<その他備品について・ヘッドセット>>
ヘッドセットを買いましょうという書き込みも多いですが、これまた手に入りません。 かろうじて手に入りやすいのはゲーマー用のヘッドセットですが、密閉タイプのヘッドホンはごついし、蛍光色とかLEDがギラギラしてるし勉強に使うイメージではないですよね。
ヘッドセットが買えない場合も、イヤホンは買いましょう。 スピーカーから音を出すとその音声がマイクで拾われてしまうハウリングという現象や、それを抑制するためのプログラムによる加工の影響などが原因で聞きづらくなってしまいます。
iPadにイヤホンを付ける場合は機種によってつなぎ方が違いますのでご注意ください。
イヤホンを使うと脇で授業を覗き込んでる親に音声が聞こえないじゃないか、という場合のウラ技。 100均で普通の3.5ミリ3極プラグのステレオイヤホンを買って、ぴーっと配線を股割きにしてしまいましょう。 Zoomにはステレオ音声に変更できる設定が有りますが、初期値はモノラルで変更している塾は無いと思いますので、ステレオイヤホンの片割れで充分に聞こえます。
<<その他備品について・緑色か青色の模造紙>>
Zoomには背景だけを別の画像に置き換えるという機能が有り、画像は自分でも登録できます。 この画像の置き換え、部屋が狭くてとてつもなく散らかっている場合には機能しません。(私自身が体験しました。) そのような場合、緑色か青色の模造紙を背景に貼ると解決します。
模造紙を仮固定するために引っ越し屋さんが使うような養生テープと呼ばれる粘着テープも買っておくと便利です。
<<その他備品について・100均のミニ・イーゼル>>
スマートフォンならば自動車用とかバイクのハンドル用など、便利に固定できるホルダーが色々ありますが、タブレットだと寸法も大きいし重さもあるので選択肢が限られます。 私は100均で買った小型のイーゼルを使っています。
2020/04/26 16:30追記
原稿を公開して、購読中のブログを巡回したら・・・
sapi.hatenablog.comとても分かりやすくて素晴らしい記事ですので、ぜひ。
ペアレンタルコントロールの件はさすが保護者様の視点ですね。
保護者様の撮影範囲外での視聴は、当然ながら皆様されています。 簡単な計算間違いをした男の子、画面の外から(たぶんお父様の手)すぱーんとはたかれてました・・・