2月は学習塾にとっては新年度がスタートする月です。 現在5年生の生徒にとっては勝負の一年が始まりました。 本人の頑張りを最善の形で応援するために家族は何をできるかという話題で、今日は照明の話です。
50年くらい前の話ですが、母の米国人の友人が来日して日本観光をしばらくした頃に、こう尋ねたそうです。
「日本には、どうしてこんなに小規模のオフィスが多いの?」
意味がわからなかったので理由を尋ねると、
「だって、ほら、あのビルもこっちのビルも蛍光灯の白い明かりばっかり。
小さなオフィスが並んでるわよね?」
その頃のアパートって、どのお宅も蛍光灯の明かりでした。
白い光の漏れる窓を見て、事務所が並んでいると思ったようでした。
時は下って十数年前、私は家族と共に実家に引っ越して来ました。
引っ越しをしてしばらくして、家族からこんな声が出ました。
「どうしてだろう? この家に来てから夜になるとやたら眠い。」
原因は・・・お分かりですね。 照明の色です。
このあたりの話は、以前この記事で書きました。
そこでも書いていますが、勉強部屋の照明を変えるなら調光だけでなく、調色機能が付いた物を買いましょう。
記事の中で天井にあるソケットというのは不適切な呼び名でした。
正しくは、コンセントとかローゼット、ですね。
天井の照明がこのような器具で取り付けられていれば、交換は数分で終わります。
たぶん一番たいへんなのは、今ついている照明を取り外す時かも知れません。
取り外し方に対しては、ネットで検索するか、新しく買った照明の「取り付け方」のマニュアルを見れば、すぐにわかると思います。
照明の取り付け部分がこのような器具でない場合は、電気工事士の資格を持った人に頼む必要が出ます。 漏電とか感電の危険性がありますから。
勉強部屋の環境を整える目的ならば、1年か2年のことですからドウシシャとかアイリスオーヤマなどの安い機種で充分だと思います。
予算にもよりますが、買うなら大き目の部屋用を選ぶことをお薦めします。 明るすぎたら、リモコンで細かく光量を調整できますので。
調光・調色が可能なシーリングライトを見ていたら、面白い製品が有りました。
日立の【子ども部屋向け】とうたった製品です。
通常の居間用で文字の読みやすさをうたった【スタンダード:よみかき】という機種と性能を見比べてみました。
見比べてみると、大きな違いはLEDの構成でした。
子ども部屋向けと称する「まなびのあかり」は、通常の「昼白色」と「電球色」に追加して「赤色」と「青色」のLEDを配置しています。
それによるメリットは「より自然な色が見える」ということです。
「当てられる光の色」と「反射して見える色」については入試でも出題されますので、いずれ実際の入試問題を題材に解説を書きますが、光源の色(波長の分布)を滑らかにして色味を自然に見せるというのは原理的にも納得できる話です。
ですが、
受験勉強用の照明として見ると、私は【スタンダード:よみかき】を推します。
理由はふたつ。
1)【スタンダード:よみかき】は8畳用と12畳用が有るが、
【子ども部屋向け】は6畳用と8畳用までで、価格差も含めて大きさに上限。
2)【子ども部屋向け】にはタイマー機能が無い。
2番目の理由は、「目覚まし解けを鳴らす数分前に強い光を浴びることでレム睡眠にモードを切り替え、快適な目覚めを実現するため」に役立つからです。
シーリングライトにタイマー機能が付いていれば、工事用ランプとか100V用タイマーを買わなくて済みますので。
【子ども部屋向け】の「まなびのあかり」が効果を発揮するのは、絵を描く人だと思います。
絵の具の色の調合は、当てる光の影響を受けますから。
手塚治虫さんが動物の図鑑の絵を描く時に、白熱電灯の下で色を塗ったライオンが白くなってしまい描き直しになった・・・そこからヒントを得てジャングル大帝レオの設定が生まれた・・・というのは有名な話です。