駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

図形の規則性:その1

最近、算数に関する記事を書いてないなぁと思ってリストを見直してみたら、あらあら、カテゴリー「算数・規則性」の記事が、ブログ内でまだ一件しかない。 という訳で図形の規則性の解き方に関する記事を書きました。 

 

きっかけはこのブログ記事です。 

市松模様として考え、平方数の数列の差を計算するという美しい解き方をしています。 

sugakublog.hatenablog.jp

 

内容を見ると、私立中学の入試でも出されるような問題だったので、受験算数の手順で解いてみました。 

 

図形の規則性の問題を解かせる時、生徒には以下のような手順で考えるよう指示しています。 

手順1:図形の下に表の枠を書く

手順2:図形から読み取れる個数などの数値を図形の種類ごとに書き込む

手順3:問題文の指示に従って和や差などの行も追加して数値を書き込む

手順4:並んでいる数字同士の差を書くなどしてルールを探す

手順5:ルールが見つからなかったら、数字を式の形にしてみる

手順X:ルールが見つからなかったら、図形を追加してみる

 

今回の問題をこの手順で解いてみました。 

3個の小問が、中学受験の難易度で見て基本・中堅・難関のレベルになっていましたので、3回に分けて記事にします。 

 

(1) 5番目の図形でのタイルAの枚数

 

まず、手順1と手順2 

図の下に表の枠を書いてタイルAとタイルBの枚数を書き込んでみます。 

(手順3も実行してしまっていますが、ここでは使いません)

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この時点で枝番(1)の答えは明らかですね。 

n番目の図形のnという数字の4倍になっていますから

5番目の図形でのタイルAの枚数は   20  

 

この(1)は、「導入問題」と呼ばれる設問です。 

受験生に点数の差を付けるのが目的ではなく、続く設問がちょっと難しい場合に何かを気付かせる目的で、冒頭にとても簡単な問題が配されることがあります。 

ですから、これについては絶対に点を取らなければなりません。 

 

絶対に点を取らなければならないという観点から、この(1)に関しては、5番目の図を書いて「数え上げて答えを出す」のもアリ、だと思います。 

規則性の解き方がまだ身に付いていない生徒が数え上げで正解を出したら、この時点では褒めます。 

・・・危険ですけど。

 

注意しておくべき危険な点は、正解を出せた「数え上げて答えを出す」という解き方に固執してしまう生徒が、おどろくほどの割合で居ることです。 

そしてこの悪癖を直すのが、すごく、ものすごく大変なのです。 

この考えに落ち込んだ生徒は、規則性の問題を見ると、これは解けそうだと思い、試験中に15分かけて数え上げ、ほとんどの場合で途中のミスにより点を落とします。 

 

この「数え上げて答えを出す」生徒への対処法としては、もっと数の大きな問題では解き方を覚えて使った方が「楽だし・早いし・点も取れる」という事を繰り返して体験させるのが王道だと思います。 

でも、その説得には凄く時間が掛かるので苦労します。 即効性の説得技は有るのかな。それが有ったら知りたいです。  

 

あと、単元導入の最初に気を付けておきたいのが、図形の書き方です。 

生徒が真面目な性格だと、例示の書き方そっくりに追加の図を書こうとします。 

今回の例で言えば、正確に正方形を並べ、タイルAを丁寧に黒で塗りつぶし、タイルBにはきっちり8個ずつ黒点を書き込もうとする生徒が居ます。 

最初の頃に上手に手を抜く方法を教えておかないと、時間を浪費してしまいかねません。 

 

 

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