受験を終えた生徒様から頂いたSapixの教材が大箱でいくつも手元に有ります。 Sapixプリント教材の整理方法については何度か記事にして来ましたが、今日は自分が使っている『山根式袋ファイル』についてご紹介します。
【平均到達時間】
情報を整理する場合に、大切なのは目標を明確に設定することです。 その具体的な指標の一つが『平均到達時間』です。 これは「目的の教材を手にするまでに何分かかって良いか」と言う数値で、会社でも個人でも資料整理の仕組みが破綻する原因の一つは、この数値を意識しないという事だと思います。 それについて書いたのが、この記事です。
Sapixの教材管理:要点は所用時間 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
今日ご紹介する方法は目的の教材を手にするまでに数分ぐらいなら時間が掛かっても良くて、それよりも最初の整理作業を楽に終わらせるのが優先、という設計です。
受験生で、Sapixから受け取る全ての教材を瞬時に取り出したい場合、たとえば8畳くらいの部屋を教材専用にして、そこにズラっと並べれば、即座に必要な教材を取り出す事が出来ます。 とは言え、大きな部屋を2年も3年も受験のためだけに使うのは難しいのが普通ですから、教材をなんらかの形にまとめて保管し、それを自由に使えるようにするための工夫が必要になります。 それについて書いたのが、これです。
私の場合、どさっと受け取った多量の教材を、なるべく楽に「整理」し、簡単かつ安価に「保管」し、検索や情報追加といった「利用」を出来れば良いので、受験生をサポートするご家庭での管理とは違い、瞬時に取り出す必要はありません。
という事で、「山根式袋ファイル」と呼ばれる体系を使いました。
【山根式袋ファイル】
「メタルカラーの時代」シリーズなどの著書で知られている評論家の山根一眞さんが提唱したファイリングのシステムです。
以前、この記事ですこし触れ、改めて記事を書く予告をしました。
Sapixの教材管理:お薦めの製品 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
A4サイズが入る角型2号という封筒に所定の書式でインデックスを書き込み、上部2センチを切り落として使うというのが山根式袋ファイルの基本です。
インデックス枠の書き込みには、このような型紙を自作して使っています。
角型2号というのは一般的に使われている封筒ですから、私たちが受け取る資料の多くはこの形で渡されます。 資料を角型2号封筒に入った状態で受け取った場合、型紙でインデックスの枠を書き込み、上端を2センチ切り落とすだけで「収集」の作業が完了してしまう訳です。
単なる紙封筒で、表紙や金具類は有りませんから「保管」スペースの無駄も最小です。 また、封筒への投げ込みですのでカードやハガキなどの小物も、ひとまとまりにして「保管」できます。
「利用」つまり保管している資料の取り出しに関しては、インデックス枠の使い方と袋ファイルの並べ方がポイントです。
《「保管」に関する注意事項》
欲しい資料を取り出すまでに必要な時間を意識する事が重要だと最初に書きましたが、それに加えて「使った資料をいかに楽に戻すか」という事も重視しておかないと、せっかく作った資料管理のシステムは容易に破綻しますのでお気をつけ下さい。
【SapixのB4版資料への応用】
さて、今回のテーマはSapix教材の保管方法ですから、B4サイズの教材を取り扱わなければなりません。 以前に書いた下の記事では二つ折りにしての箱詰めを推奨していますが、これは即座に取り出す必要性を優先する受験生の場合を想定しています。
Sapixの教材管理:古い教材を快適に見つけるには - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
今回、私は取り出した後の使い勝手を優先して、教材を平らに伸ばした形で封筒に入れて保管する方法を採用しました。
使っている封筒は、B4サイズの保管用が角型0号、A4サイズには角型2号を使っています。 パッケージプラザという包装材料の専門チェーン店で100枚を千数百円で買いました。
Sapixの教材管理:封筒の寸法 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
保管は、こんな感じ。 立てて収納する事で一覧性を確保しています。
教材を使いたい時は、インデックスを参照して袋ファイルごと取り出し、使い終わったら袋ごと元に戻します。
インデックス欄の使い方は、とりあえず上から「学年」「科目」「教材の種類」、そして「年度」「解答か否か」という書式です。
とりあえず、この形で始めましたが不具合が出るようなら新しい書式に変えて行くつもりです。 使っているのが単なる紙封筒ですので、気楽に作り直しが出来ます。 また、封筒の表面にメモを書きたい場合にもインデックス欄がアイキャッチとして機能していますので、インデックス蘭以外の封筒の余白に気楽に書き込み出来ます。
今回は「学年」「科目」「教材の種類」「年度」「解答か否か」というパラメータで管理でき、情報の量も極端に多くないケースですのでまとめて箱に詰めています。
この『山根式袋ファイル』というシステムを、私はこれまで20年以上も使って来ました。 今回は初めて角型0号という封筒を使いましたが、これまでは全て角型2号のA4サイズです。 本棚への並べ方は、「保管」を主目的としたストック情報は五十音順で、即時性を重視したいフロー情報は「押出しファイリング」という方法です。
それらの詳細については、稿をあらため機会が有ったら書きます。