駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

ちょっと一息:都内で自転車利用を広げるには

このブログでは中学受験に直接は関係しない話題を「ちょっと一息:」と称して、カテゴリー「世田谷散歩」を使って何度か書いて来ました。 今日はタイトル通り、東京都内で移動の手段としての自転車利用を広げるためのアイデアです。

 

移動の手段としての自転車は、3・11の直後に一時的に大きく利用が増え、今回の新型コロナウィルス流行でも密閉空間になる公共交通機関を嫌って利用者が増えました。 

 

新型コロナウィルスは一日も早くワクチンが開発されることを切望しますが、世界中の生活に後戻りの無い変化が生まれることは間違いないでしょう。

最近「宇宙船、地球号」という呼び名は聞くことが減りましたが、持続可能な社会というキーワードも含めて大きなパラダイムシフトの必要性が、ひとつ加わったと感じます。

 

上で「一時的に」という言葉を使いましたけれど、自転車による移動は今年も含めて一時的な利用者の増加が定着していないと私は感じます。 一時は自転車を利用した人が、何かの理由で離れてしまう。 それには自転車に対する社会の意識が充分に高まっていないのが、原因の一つではないでしょうか?

 

エコとか持続可能社会に対して世田谷区はそういった意識の高い所のはずなのですが、エコロジカルかつ三密を避けられる移動手段「自転車」に関しては不満を感じています。

 

もちろん路肩への自転車マークのペイントとか、それなりの対応は進んでいますが・・・

しかし、

駅の周辺の駐輪場はまるで不足していますし、大通りを通れば違法駐車、更にスレスレをかすめる自動車に脅かされ、ではと住宅街の中を抜けようとすると自動車のことしか考えてないカーブミラーや、乗り方講習を受けた経験の無い主婦やお年寄りの逆走などに悩まされます。

 

自転車をめぐる社会環境に関しては書き始めると止まらなくなるので、アイデアの話に移ります。

 

【東京の自転車利用を広げるアイデア

東京の町並みを縦横に走っている「緑道」を「自転車の幹線道路」として再整備する。

再整備と言っても大掛かりなものではなく、とりあえずは次の3施策で充分です。

 1: 緑道を優先道路、交叉する道路を一時停止に変更する

 2: 必要に応じてカーブミラーや、路面へのバンプ加工を追加する

 3: 交叉する道路の一時停止違反を徹底的に取り締まる

これだけです。 これだけで都内の自転車による数Km程度の移動が格段に快適になります。 幹線道路の路肩に自転車通行帯のペイントを追加するより、はるかに高い効果が出ると私は思います。

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発想の基礎となっているのは、これです。

komazawajuku.hatenablog.com記事の概要:

東京には関東ローム層の侵食で数多くの谷が走っている。 自転車による移動は、遠回りになっても標高差の無いルートの方が快適である。 例えば駒沢から中目黒まで移動する場合、国道246号線(玉川通り)は標高差に加えて歩道は狭く車道の左端は舗装が荒れており、試行錯誤で開拓した住宅街を抜けるルートを使うが多いが、時間を気にしないポタリングの場合は烏山川緑道を使うこともある。

 

ここで烏山川緑道を使う際の「時間を気にしないポタリングの場合」という部分が問題なのです。

本当は緑道沿いの道を行くのが楽なのです。 急坂が絶対に無いですから。 なのに時間を気にしない場合にしか使う気になれないのは、移動のための道路としての機能が絶望的に不便だからです。

 

現時点で、暗渠になった緑道や水路沿いの小道は他の道路と交叉する場合、ほぼ確実に緑道側が一時停止になっています。 水路沿いの自動車が通れる道の場合も確実に一時停止の看板が立っていますし、カーブミラーも自動車の利用しか考えられておらず、法律上は許されている自転車の逆走方向では役に立ちません。

これらの設計により、緑道や水路沿いの道を自転車で通った場合、あらゆる交差点で一時停止、もしくは極端な徐行を強いられることになります。

 

緑道や水路沿いの道と交叉する道路の優先/一時停止の関係を、もしも逆にしたら?

自転車にとっては標高差の少ない、安全で快適な幹線道路になります。

街中にそういった快適なルートの確保ができれば、目的地に着く前の最後の数百メートルは現状と同様の道路のままで多少不便でも、自転車で行こうという気になります。

 

交叉する道路を通る自動車にとっては、かなり不便になりますが、自動車はシートに座ってブレーキとアクセルを踏むだけですし、ハイブリッド車が増えて来た昨今、ストップ&ゴーの繰り返しは省エネの観点からも大きなマイナス要素にはならないはず。

加えて、

住宅街を通る時、自動車はもっともっと謙虚になるべきだと私は感じています。 お年寄りや小学生や子連れのお母さんの脇を、エンジン音を唸らせながらギリギリでかすめて行く自動車のなんと多いことか。  

 

住宅街では極端にゆっくりと走り、整備された大通りではスピードを上げて効率的な移動を実現する、そんなメリハリの利いた道路設計に変えられたら気持ち良くありませんか? 自動車が歩行者を押しのけて走る、そんなどっかの開発途上国のような社会は、そろそろ卒業しませんか? 

 

今日の記事は、バス・電車以外では自動車と徒歩とママチャリだけが移動手段という人にとっては噴飯物のアイデアかも知れません。 ですが、1トンを超える、他人を容易に殺すことのできる機械を使って移動するという時代になったのは、わずかこの数十年ほどのことであり、いつまでも続く仕組みでも無いと私は思います。 

 

あとひとつ、

多少、道路が良くなっても自転車で移動するのは面倒だなぁと思われる方、本当の自転車に乗ったことが有りますか?

量販店で1万数千円で買えるママチャリは、自転車と呼びたくありません。 あれは自転車の形をした何かです。 

1Kmとか2Kmの移動なら差は感じないかも知れませんが、数Km以上の移動に使ってみると本当の自転車との違いが歴然と感じられるはずです。

その意味で、駒沢公園で貸し出しているレンタル自転車、あれは駄目です。 典型的なママチャリです。 物は試しと一回だけレンタルしてみたことがあるのですが、まったく楽しく有りませんでした。 2.15Kmのサイクリングロードを一周したらもう充分、速攻で返却しました。 自分の自転車なら「楽しみとして」10周くらい簡単に出来てしまうのです。

 

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