駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

Sapixの教材管理:お薦めの製品

教材の保管・再利用に適したファイルや箱などの道具類と、それらの使い方についての提案です。 教材は、そのライフサイクルの各時期において手元に出してくるために許される所要時間が異なります。 それぞれの時期に使える道具を考えてみました。

 

前回の記事: Sapixの教材管理:要点は所用時間 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

そこでは取り出しの所要時間について、次のように考えました。

・週末までの期間には、瞬時に出せるようにしたい

・マンスリーの前の見直しなら、数分かかっても良い

・過年度の教材を確認するのは多少の作業を伴っても良い

 

教材の保管に使う道具は、各ステップで許容できる取出し所要時間をベースに考えると(ご自身の性格に合った)ベストの道具が見つかるはずです。 

付け加えるなら、月日の経過で教材がステップを移動する際に、手間をかけずに保管方法の変更が出来ると望ましいです。

 

 【閑話休題

実はライフサイクルの時期によって、それに適した形で資料を保管するシーンって米国映画やドラマでけっこう見ているはずです。

※引き出し式の書類ロッカーをガーっと引き出して、並んだマニラフォルダーやハンギングフォルダーを指でちゃちゃっと繰って、二つ折りの厚紙フォルダーにはさまれた資料を取り出すシーン。

アーカイブ倉庫の棚から段ボール箱を取り出してきて、ふたを開けて中の資料を取り出すシーン。

※おそらく書類ロッカーに保管される前、瞬時に書類の出し入れをしたい段階では二つ折りのフォルダーはデスクの引き出しに放り込まれているはず。

ライフサイクルの3つの段階での保管方法はこれで良いのですが、受験のために引き出し式の鉄製ロッカーを買うというのも大仰なので、他の方のブログ記事も参考にしながら、使用する道具を考えてみました。 性格によりベストな方法は人により違うはずですから列挙の形になりますが、参考になれば幸いです。

【閑話終了】

 

紙の寸法(単位:ミリメートル)

A3 297 × 420

B4 257 × 364

A4 210 × 297

 

それでは教材の保管に使える道具を、ライフサイクル別に紹介して行きます。 Sapix教材を念頭に置いていますので出来るだけB4サイズをそのまま入れられる製品を探してみましたが、プリントを2つ折りにして良いのならA4規格の道具の方が選択肢が広がるし、安いです。

 

 

週末までの期間には、瞬時に出せるようにしたい

その週の分の教材だけですから量は多くありません。 それこそ食卓くらいの大きさのテーブルが自由に使えるなら、ばらまいておけば瞬時に摘まみ上げることができます。 キーワードの付与なども不要ですが、紙の資料に関しては入手した瞬間に日付印を押す習慣を持つことをお勧めしています。

komazawajuku.hatenablog.com

 

 

☆箱かカゴを置いて、その週の物は全部放り込む。

シンプルで良いですね。 食卓にぶちまけるよりは見栄えも良くなります。 ただし、入れ替え作業が一回でも抜けると、カオス状態になります。

 

☆ポケットファイルを使う。 

美しく、見た目も良いですが、入れ替え作業が面倒すぎるので週内の教材の保管に使うのはお勧めできません。 この方式で始めてしまい、一カ月で破綻した保護者様を大勢見て来ました。 

 

☆100均のビニールケース

半透明の丈夫なビニールケースにカラフルな布の帯がついており、チャックで開け閉めするタイプの物です。 これもマメな人向けかな。 

 

☆引き出し式の書類ケース

B4サイズのプリントを平らに入れられる引き出しだとかなり外寸が大きくなりますが、A4用にすると二つ折りで入れることになるので、引き出しの深さに収まるようにテキストをしっかりと折り曲げる必要があります。 

 

☆平置きタイプのオープン棚

数段のオープン棚に水平に書類を放り込むタイプです。 A4ファイルサイズを入れる製品は多いのですが、B4を入れられる物は見当たらず段ボール箱を使って自作された方が居られました。 下のIKEAの棚は奥行きが少し足りませんが、外寸からみて「たぶん」B4が入ると思います。

これと似た形態で、オフィスの机の上に置く書類トレーを重ねて使うという方法も考えられます。 B4サイズをそのまま入れようとするとA3規格のものになりますので、かなり大きなものになりますね。

 

マニラフォルダー 

二つ折りの厚紙ではさむだけのフォルダーです。 寸法を問わずに資料類をはさめるので、演習で使った裏紙や、ネットで見つけた解法を印刷して入れておくなども出来ますし、フルオープンになるので、見通しが良いです。 その週が終わって次の保管ステップに移行するのも楽な道具です。

 

 

☆ハンギングフォルダー+オープンスタンド

資料整理のコツのひとつに、「資料を寝かせた状態で積み重ねるのは避けて、出来る限り立たせて保管する」というものがあります。

ハンギングフォルダーと専用のスタンドを使えば立てて管理が出来ます。

コクヨ ハンギングフォルダー B4 B4-HFN

コクヨ ハンギングフォルダー B4 B4-HFN

  • メディア: オフィス用品
 

 

コクヨ ハンギングフレーム B4-HF用 B4-HM

コクヨ ハンギングフレーム B4-HF用 B4-HM

  • メディア: オフィス用品
 

 

 

 

マンスリーの前の見直しなら、数分かかっても良い

1カ月分の教材になりますので、それなりの分量にはなります。 まだ記憶は新しいので検索のための工夫は不要で、一回にめくる量を減らすために 週+教科 でまとめてあれば充分です。 

週末までの管理でカゴ、引き出し、トレイなどを使っていた場合は何らかの詰め替え作業が発生します。

 

マニラフォルダー+ファイルボックス

その週の勉強が終わったら、マニラフォルダーごとファイルボックスに放り込んでしまえば、このステップから教材を「立てて」保管する態勢に移行出来ます。

 

☆ハンギングフォルダー+オープンスタンド

こちらの場合にはスタンドの奥行から見て1か月分くらいは並べられそうですから、毎週足して行ってマンスリーが終わったらリセット、という使い方が出来そうです。

スタンドの上でフォルダーを滑らせながら指で繰って教材を探せますから、見通しのよさで言ったらベストかも。

 

☆袋ファイルへの詰め替え

週内で2つ折りのフォルダー類を使わない場合、週末の時点で新しくフォルダーを使うのは無駄ですので、封筒に詰めてしまうという方法もあります。 この場合、中の教材を使おうとすると逆さに振って中身を全部ぶちまける必要がありますので、マンスリー前の見直しを必死になってやらなくても良いような生徒向きかも。

2021-03-20:追記

B4サイズの教材を入れられる封筒は角0という規格品がお薦めです。

Sapixの教材管理:封筒の寸法 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

 

過年度の教材を確認するのは多少の作業を伴っても良い

 週内と月内の保管に対しては、できるだけ2つ折にしない方針で保管の道具を考えて来ましたが、年度をまたぐような保管に対しては、コンパクトさを重視して良いと考えます。 

取り出す必要性が出た時に影響するのは、物理的な保管の形態よりも、どこに有るかという番地を知るための整理や、検索への工夫です。

 

マニラフォルダー+ファイルボックス段ボール箱

前のステップで使っていた1カ月単位のファイルボックスを、そのまま段ボール箱に入れるだけです。 数か月後に昔の教材を取り出すときには、◇年△月の表示を見てファイルボックスを取り出し、その中から 週 または 週+科目 で分けられたマニラフォルダーを抜き出すという作業になります。

 

☆ハンギングフォルダー+引き出し式ロッカー

B4サイズのハンギングフォルダーの場合、それが入る引き出し式の鉄製ロッカーが有るかどうか判りません。 A4やレターサイズの物しか無いのではないかな? 

いずれにせよ受験が終わったら不要になる教材ですから、ハンギングフォルダーのまま保管のステップに移行するのは大仰過ぎますので、上のマニラフォルダーまたは下記の封筒などへの入れ替えをお勧めします。

 

☆山根式袋ファイル

山根式袋ファイルというのはジャーナリストの山根一真さんが提唱した角型2号の封筒を使ったファイリング体系です。 私も20年以上前から取り入れており、自宅では数百の封筒を資料の保管に使っています。 

山根式袋ファイルに関しては、数行では語り切れないので、記事を分けます。

週内の学習の段階で袋ファイルを使うのも可能ですが、袋を引っくり返して中身を出さないと教材や付随したメモなどの全体像が見られないので、あまりお勧めはしません。 基本的に保管のための道具だと思います。 

2021-05-04:追記

保管のための道具として私が実施している状況を記事にしました。

Sapixの教材管理:山根式袋ファイル - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

☆フォルダーやファイル無しで段ボール箱

年度またぎの保管の場合、実はこれが正解かも知れません。

フォルダーやファイルから出した裸の教材を段ボール箱に詰めてしまう方法です。

 

箱への詰め方は「使用後の戻しやすさ」を重視して下さい。 

まず教材の種類で分けて、それを単純に番号順に並べるようなシンプルな方法が良いです。

これはお好みですが、B4サイズの教材は平らに伸ばしてしまうよりも、2つ折りにして箱詰めする方が好きです。 目的の号を見つけやすい(=戻しやすい)ので。

 

段ボール箱について

スーパーマーケットのOKストアなどに行くと無料の段ボール箱がたくさん置いてありますので買い物を詰めるのに使って持って帰れば無料です。 飲料系の箱が丈夫でお勧めです。

郊外の農機具がいっぱい置いてあるようなホームセンターに行くと農作物の出荷用の段ボール箱が売られています。 丈夫で、安くて、寸法も豊富です。 その際に寸法にはご注意を。 大は小を兼ねません。 紙類を入れた箱は、も の す ご く 重くなりますので小さめにして個数を増やすのが良いです。

 

段ボール箱を購入する場合、寸法と共に蓋の形状も好みに合わせて選びたいです。 

 

一つは別体の蓋が付いているタイプ。 米国ドラマの「Cold Case」などで倉庫から持って来るのはこのタイプですね。 組み立て式の蓋が乗りますので、段ボール箱を積み重ねた場合の強度もそこそこ有ります。 

 

こちらは文書保存箱として販売されている製品です。 蓋はドア状の一枚をぱかんと開けるタイプで、みかん箱のような上下左右に小さな4枚の蓋を開くタイプよりも出し入れがしやすいです。 ただし、折りたたんだ時にドアの部分が出っ張る分、かさばります。

押しつぶす力には少し弱くなりますので、中にぴっちりと本を詰めて支柱にした使い方でない場合には、積み重ねは2段くらいまでにしておいた方が良いです。

 

このステップに入ると教材の保管は物理的な道具に何を使うかでなく、どうやって快適に目的の教材を引っ張り出すか、それが重要になります。 製造業の3S(さんエス)の用語で言えば、「Sapixの教材の整頓」のステップから「Sapixの教材の整理」に移行するということです。

 

どこに有るかという番地を知るための整理や検索への工夫は、

※ 時系列をたどるのか(=日付や通し番号)

※ 分類の樹形図をたどるのか(=単元名や解法名

※ ピンポイントの抽出を可能にするのか(=マトリックス表の事前準備)

といった情報の検索手法に関連する話になりますので、改めて記事にする予定です。

 

 

 

 Sapix生の場合、理科と社会については冒頭のカラー印刷の部分だけを分けて保存している人が多いです。

穴あけパンチ+二つ穴のフラットファイルを使ったり、B4サイズのポケットファイルの利用例が多いですが、横からスライドさせて入れるタイプのポケットファイルを使っている方もおられました。 

 

 

 

このブログはリンクフリーです
リンク(はてな用語で「言及」)に事前連絡は不要です
出典を示して頂けるならコピーペーストも自由にどうぞ。
って言うかリンクやツイートでgoogleの表示順が上がるので大歓迎