立体図形のジャンルのひとつに立方体(サイコロ形)を積み上げる問題があります。 例題としてサレジオ学院中の2011年(平成23年)A入試の大問5番を取り上げました。 三面からの投影図が示されて、有り得る最多の個数、最少の個数を考えるという問題です。
【問題】
1辺が 3 cm の立方体を積み上げて立体を作りました。
下の図は、作った立体を真上から見た図と、矢印の方向から見た図です。
次の問に答えなさい。
(1) このように見える立体の体積は2通りあります。
それらの体積はそれぞれ何cm3ですか。
(2) (1)のうち体積が大きいほうの立体の表面積は何cm2ですか。
【解説】
(1) 2通りの積み方を考えさせる問題です。
解き方の手順を解説します。
☆ 真上から見た図を使って書き込みをして行く。
☆ 真正面から見た個数を5つある列毎に矢印で書き込む。
☆ 側面から見た個数を3つの行毎に同様に書き込む。
☆ 確定できるサイコロの段数を書き込む。(図の赤い文字)
これで第一段階の整理作業は終わりです。
この時点で段数が確定できていないのは二箇所ですね。
今回の例題では正面から見て5個と3個の列は既に条件をクリアしていますので、側面から見て2段に見える積み方を考えます。 どちらかに2個有れば良いのですから、この二箇所への積み方は
[1,2] [2,2] [2,1] の3通りです。
あれ?3通り? (1)の設問には2通りと書いてあるのに? と混乱した受験生も居たかも知れませんが、(1)をよく読みましょう。 「このように見える立体の体積は2通りあります。」ですから、体積つまり個数で考えれば2通りで間違いないわけです。
と言う訳で、立方体の個数は17個または18個とわかりました。
立方体の一辺は3cmですから体積は 27cm3 となり、答えは
27cm3 × 17 = 459 cm3
27cm3 × 18 = 486 cm3
(2) は表面積を求める問題です。 サイコロ形を山に積み上げる問題では、陰になる谷間が有るかどうか判断する立体感覚が要求されます。
その感覚を育てる方法を次の記事で書きます。
立体感覚育成には激落ちくん - 駒澤塾:中学受験の算数・理科