2月というのは学習塾の新学年がスタートする時期です。 そしてまた転塾が頻発する時期の一つでもあります。 塾の講師としてアンテナを張っておくべき情報のひとつが「生徒が他塾の体験授業を受けたかどうか」でした。 退塾に直結する兆候ですから。
塾の変更は頻繁すぎるとたいへんな悪影響がでますが、本当に必要が有るなら迷わず移るべきです。 生徒本人および保護者様と学習塾の相性は、学習成果に大きく影響しますから。 ただ、相性に影響するパラメータは 『目標としている学校のレベル』 『使っている教材の形式や量』 『授業の時間(塾弁の有無も)』 『人数規模』 『クラス変更の頻度』など、非常に多種多様です。
困るのは生徒と塾の相性に「正解」がないこと、その判断に使う材料が断片的にしか入手できないこと。 先輩の話を聞いたり体験ブログを読んだりしても、家庭の事情が違っていれば部分的な参考にしかなりません。 そもそも外部から一個人の立場で見た塾の様子が、塾全体の本質を捉えているかどうか、けっこう怪しいです。
塾の比較サイトもネットを検索すればたくさん見つけられます。 情報が古くないかとか、事実に基づいているかなどに注意すれば、一般的な傾向としての塾間の比較には役に立ちます。 基本情報の収集には。
問題なのは家庭側の事情とすり合わさなければ「どこに通わせるのが良いか」という答えを出せないこと。
塾選びのコンシェルジェというサービスも需要としては高そうですが、そのコンシェルジェ自体に利害関係が無いかとか、どのくらい信頼性が高いのかなど、「コンシェルジェを選ぶためのガイド」は無いので、不安は残ります。
また、相性を検討するということは家庭側の事情もオープンにしなければ有益な意見は返って来ませんから、すべてを話すということにも抵抗を感じるかも知れません。
さて、どうしましょう。
どうやって通わせる塾を選びましょうか。
志望校選びでもよく言われることですが、塾選びでもこういうことをしてみてはいかがでしょうか。
「その塾に自分の子が通っている姿を想像できるか。」
職員と話しをするなら出来るだけ事前に予約を入れて午後の早い時間帯が良いです。 生徒の登塾時間帯(=授業開始直前)に入塾相談の保護者様がいらっしゃると(もちろん丁寧に対応をしようとはしますが)、うわぁってなりますので。
通っている生徒達の顔を見るなら夕方の時間帯に訪問してみるのも面白いです。 ひとつ気を付けておきたいのは塾内の通路を含めての「教室の外」と、「教室に入ってから」の様子が大きく違う塾もあるということです。 両方とも動物園って塾もありますが・・・
体験授業は、まったく受け付けていない塾もあります。
体験授業を受けられる場合、ひとつ気を付けたいのが本日のタイトルにした「総合回を避ける」ということです。
多くの塾で5回に一回「総合」という単元があり、そこまでの4回分の振り返り内容になっています。 教わったことを覚えているかの確認だったり、組み分けやマンスリーのテスト準備として演習問題をやるだけだったりしますので、体験として参加してわかるのはクラス構成や雰囲気だけで、授業内容の参考にはなりません。
この時期、転塾するタイミングとしては「春期講習から」というのも区切りのひとつです。 ただ、その前に総合回を避けて体験授業を入れようとすると意外とタイミングが限られることも有りますので、検討をしているなら早めに問い合わせをしておくことをお勧めします。
本日の冒頭に「本当に必要が有るなら迷わず移るべき」と書きましたが、頻繁過ぎる転塾は子の学力をがたがたにしてしまいます。 頻繁過ぎる転塾の最大原因は親の「青い鳥症候群」だと思います。
これに関連して「学習塾のドクターショッピング」という記事を書きましたので、明日、公開します。