駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

割合を使った平均算:(1)の解法

昨日の投稿の(1)に関する解法です。

例題《世田谷学園の平成25年(2013年)の第3回入試から大問の3番》

 【問題】

英語の検定試験を行いました。今年は昨年に比べ、受験生の数は2%増え、合格者の数は15%増え、不合格者の数は10%減りました。 また、今年の受験者全員の平均点は57.6点であり、合格者の平均点は合格最低点より2l.2点高く、不合格者の平均点は合格最低点より12.8点低かったそうです。
このとき.次の問いに答えなさい。
(1) 昨年の合格者数と昨年の不合格者数の比を,最も簡単な整数の比で表しなさい。
(2) 今年の合格最低点は何点でしたか。

 

昨日の投稿では、問題文に登場する数字を表の上に整理してみました。 それを見ると昨年の人数 × 割合 = 今年の人数 という関係を使って面積図で整理ができそうです。

 

これは『 A × B = C という関係は面積図にできる』という「知識」の活用です。 算数のように「考えて解く」教科でも絶対に覚えておかなければいけない「知識」というものが有ります。 受験勉強の算数や理科が小5になって急に苦手になった子の多くは、そういった「知識」を覚えていないことが多いです。

 

面積図を書いてみます。

横軸の長さを「昨年の人数」、縦軸の長さを「割合」とおくと、面積は「今年の人数」になります。

これは<平均算(のべ算)>の面積図そのものですね。

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<平均算>の面積図での解き方は、図の点線より上にある小さな長方形と右側にできる小さな長方形の面積は等しくなる、ということを使った方法です。 面積の等しい長方形の高さと幅は反比例になるということを使った解き方でした。

 

反比例の関係を使うということは、<塩水算(濃度)>と同様に<てんびん>を使って解けます。 (面積図に赤で「てんびん」を書き込んでおきました。) <てんびん>を使えば、「引き算→比の整理→たすき賭け」だけで出来ますので30秒かからずに答えを得られるはずです。

 

<別解>には<線分図>+<式の変形>で解いた例を書きました。 移項が使えるようになった生徒なら(および大多数の保護者の方には)、この方法の方が判りやすいかも知れません。 こちらの方が単純で簡単に「見える」のに、なぜ<てんびん>などを教えるか言えばそちらの方が 早いし、楽だし、ミスも減らせるからです。

 

(2)の解法は明日載せます。 

今年の人数比を求め、点差を整理したら、あとは<割合を使った平均算>で解答が得られます。

  

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